【機械技術4月号】機械加工現場の専門用語リスト!!

機械技術4月号 の特集は、 機械加工現場の専門用語のQ&Aです!

新たに製造業に入職する方にとってとてもためになる内容になっていますので、その一部を本記事でご紹介します。

また、私の専門分野である旋盤フライス加工分野では、今までに書いた記事をご紹介し、より理解を深められるようにしています。

こんなふうに解説されています!

本誌では、このように画像つきでかなり詳しく解説されています!

本記事では全ては掲載できませんので、私から簡単な一言解説を入れておきます。

立型と横型って何ですか?

立型か横型かというのは、主軸の向きで決まります

マシニングセンタやフライス盤は、作業性を良くするために基本的に立型、旋盤は切り粉のはけを良くするために基本的に横型です。

旋盤でも大きく短めのワークを加工する場合は立旋盤が適していますし、マシニングセンタでも切り粉のはけを重視する場合は横型が適しています。

立旋盤についてはこちらで詳しく解説しています!

複合加工機ってなんですか?

複合加工機とは、旋盤加工もフライス加工もできる機械のことです。

加工ごとにワークを別の機会に載せ替える必要がないため、かなり効率的に加工ができます。

一方プログラムは各々の機械を使うより複雑になりがちで、干渉にも気を遣います。

最近では積層や研削、レーザーまで工程集約できるものも登場しています。

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マザーマシンと母性原理ってなんですか?

マザーマシンとは簡単にいうと機械をつくる機械のこと。フライス盤、マシニングをはじめとした、工作機械全般がそうです。

母性原理とは、作り出された機械部品の精度は、その部品を作った機械に依存するという原理です。

暖気運転、慣らし運転ってなんですか?

工作機械は熱変異によって機械自体の部品が伸び縮みしてしまいます。

そのため機械が冷えた状態から温まった状態になると、削った際の寸法に差が出てしまいます。

それを防いで寸法を安定させるため、はじめから機械を温めておく運転が暖機運転です。

これを行っておくことは機械への負担を減らし、寿命を伸ばすことにもなります

アップカットと、ダウンカットってなんですか?

アップカット、ダウンカットについてはこちらの記事で解説しています!

荒加工、中仕上げ加工、仕上げ加工ってなんですか?

荒加工は、主に荒加工用の刃物で形状を作る作業です。

中仕上げ加工は、仕上げ加工のために仕上げ代を少なく均一にする加工、仕上げ加工は実際に図面指示通りの寸法に仕上げる加工です。

きさげって何ですか?

人間の手で完璧な平面を出す作業のことです。

機械で加工する場合クランプをしなければなりませんが、クランプした状態ではワークに小さい曲がり・ひずみが出てしまうためクランプをせずに削らないと完璧な平面は出せません。

ですが、クランプせずに削るには人間の手ほどの弱い力でないとワークが動いてしまいます。

そこで人間の手で削り、平面を出していくわけです。

また、微小な凹凸をつけることで油がたまるようにし、部品同士が摺動したときの摩擦を少なくするためにも必須の作業になります。

周速一定制御って何ですか?

汎用旋盤が歯車の組み合わせを変えることで回転数を変えるのに対し、NC旋盤はモーターの回転を直接主軸に伝えることで回転数を変化させます。

そのためNC旋盤では加工中でも無段階の連続的な回転数の変化が可能になります。

その活用事例として代表的なのが周速一定制御です。

旋盤加工においては、同じ回転数ではワークの中心に近づけば近づくほど周速は低くなります。

そのため例えば端面加工の際など、中心に近づけば近づくほど回転数を上げることで周速を一定に保った加工が可能になります。

この機能は適切な条件で加工して加工スピードを上げたり、表面の仕上がりを均一に保つためにかなり便利で、NC旋盤の大きなメリットの一つです。

こちらの記事から引用しました!

切削速度って何ですか?

切削速度は刃物がワークとぶつかる際のスピードです

同じ回転数でも、回転するワークもしくは工具が大きくなれば切削速度は上がりますし、逆に小さくなれば切削速度は下がります。

工具寿命や寸法精度を安定させるため、適正な切削速度になるように回転数を調整しながら加工していく必要があるわけです。

切削速度はこちらの計算式で求められます!

日進工具様より引用

連続切削と断続切削って何ですか?

連続切削と断続切削についてはこちらの記事で詳しく解説しています!

ピックフィード、カスプハイトってなんですか?

ボールエンドミルを使った平面加工で使う用語です。

金型加工などでよく使われます。

図の通り、エンドミルの移動のピッチのことをピックフィード、削った面の段差の高さのことをカスプハイトといいます。

ピックフィードとカスプハイト
機械技術4月号より

工具寿命の目安ってなんですか?

工具寿命の目安は主に以下のとおりです。

  • 寸法が安定しない
  • バリが発生
  • 負荷が高くなった
  • 加工面が悪化してきた

私が勤務しているような単品もの加工での工具寿命の判定は主に経験則で行われますが、多くのワークを加工する場合は科学的な見地から工具寿命を判定することが大切です。

コーナ半径(ノーズ半径)ってなんですか?

こちらの記事で解説しています!

すくい面摩耗、逃げ面摩耗、境界摩耗って何ですか?

切削工具の摩耗の種類で、工具交換の判定基準になります。

タップを立てるってどういうことですか?

タップとは雌ねじを切る工具のことで、それを使ってねじを切ることをタップを立てる、タッピングといいます。

チップブレーカーって何ですか?

旋盤チップ等の刃物についた、切り屑を分断するための凹凸のことです。

チゼルエッジ、シンニングって何ですか?

チゼルエッジはドリル先端のこと。シンニングはドリル先端を尖らせることです。

ホーニングってなんですか?

刃先の欠けを防ぐための、刃先先端の丸みのこと。

切れ味が落ちますが、刃物が欠けやすい断続切削で特に有効です!

こちらの記事の最後で焼入れ鋼の断続切削が可能な刃物を紹介していますが、そのような加工だとホーニングは必須になります。

水溶性切削油剤と不水溶性切削油性ってなんですか?

切削油には、水溶性の不水溶性のものがあります。

火災の原因になること等から、現在は水溶性が一般的です。

ハインリッヒの法則って何ですか?

別名ヒヤリハットの法則。

330件のヒヤリとしたり、ハッとしたことがあったときに、そのうち29件が軽微な事故、1件が重大事故になるという法則です。

安全に注意して作業することは何よりも大切です!

切りくずって「屑」(ゴミ)ですか?

切り屑は加工技術者にとってはごみですが、大切な金属資源です。

また、加工時の厄介者であると同時に、加工の状況を反映した大切な情報源でもあります。

寸法公差、幾何公差ってなんですか?

図面によって指示されている、製品の仕上がり寸法精度や幾何精度のことです。

加工の仕事は、これを満たす仕事といっても過言ではありません。

理論粗さってなんですか?

切削条件ごとに、どのくらいの表面粗さになるかというのは計算で求めることができます。

ですがあくまで理論値で、実際はそれよりも荒くなってしまう場合が多いことに注意が必要です。

びびりってなんですか?

びびりとは加工時に起こる振動のことで、これが起こってしまうと表面粗さや寸法精度が大きく悪化してしまいます。

難しい加工の多くはびびりや逃げとの戦いになります。

ツルーイング、ドレッシングってなんですか?

研削加工で使われる用語です。

ツルーイングは研削砥石を真円にする作業、ドレッシングは砥粒に鋭利な凹凸をつける作業です。

ドレッシングについてはこちらで詳しく解説しています!

他にもこのような専門用語が解説されています!

加工変質層、加工硬化、残留応力ってなんですか?

クーラントって何ですか?

研磨加工と研削加工の違いはなんですか?

切削力と切削抵抗ってなんですか?

たわみって何ですか?

調質って何ですか?

線熱膨張係数ってなんですか?

表面粗さってなんですか?

ミルシートって何ですか?

剛性、ヤング率ってなんですか?

本誌を手にとって、ぜひ詳しい解説を読んでみてください!

冒頭に掲載したように、機械技術4月号には1ページごとに詳しい解説が掲載されています!

この業界に入ったばかりの方に大変ためになる内容になっていますので、ぜひ手にとって見てください(^^

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