ボール盤でタッピング・穴あけをする方法

ボール盤

ボール盤でタッピングができる!

ボール盤にタッパーと呼ばれる、少しだけ空回りできる遊びがついたドリルチャックを付けることにより、タッピングを行うことができます。

仕事で初めてボール盤を使ってタッピングを行ったので、その方法を記述しておきます。

準備

タップ取り付け

ボール盤にタップを取り付けます。

タップには、主にスパイラルタップとストレートタップがあり、以下の用途によって使い分けます。

ストレートタップ→切りくずが下に出るため、貫通穴で使用する。

スパイラルタップ→切りくずが上に出るため、止まり穴で使用する。ストレートタップより強度が低い。

ストレートタップはまっすぐの形で、スパイラルタップはドリルのような形状をしています。

今回は止まり穴だったので、スパイラルタップを使いました。

モードの変更

ボール盤には、タッピングモードと穴あけモードがあります。

通常の穴あけモードと違い、タッピングモードは設定した長さまで送ると逆転に切り替わります

今回はもちろんタッピングモードに設定します。

切削条件の設定

実務的に、ボール盤の切削条件は、HIとLOWしか変更しません。

もちろんタッピングは通常のドリルと違って負荷がかかるため、切削条件はLOWにします。

ワークの取り付け

ボール盤のバイスにワークを取り付けます。

このとき、バイスはボール盤のテーブルには固定しません

そして、テーブルを動かしてワークの高さを調節するのですが、注意するのはタップ先端とワークは、指1~2本分程度離すことです。

そうしなければならない理由をこれから説明します。

ボール盤でタッピングをする場合、設定した長さまでタップを送ると、自動的に逆転に切り替わります。

こうして逆転してタップを抜き、タップをスタート位置に戻すと、逆転から正転に戻ります。

このときに、タップがワークから抜け切る前に正転に戻ってしまうと、タッピング後にまたタップがワーク内に入りこんでいってしまう可能性があるからです。

タッピング深さの設定

ボール盤にはメモリがついており、タッピングの深さを設定することができます。

ここで設定した点で、ボール盤は正転から逆転に切り替わります。

ここでのポイントは、求めるタッピング深さに加えてタップ不完全部の深さを考慮することです。

例えばピッチ1.5で、不完全部が6山分あったとすると、1.5×6=9mm分余分にタッピング深さを設定する必要があります。

不完全部は、ノギスを使って大体を測定することができます。

素振りを行う(試運転)

設定した穴深さが正しいか、素振りを行います。

ワークのないところでハンドルを送ってみて、大体目的の深さで正転から逆転に切り替わるかを確認します。

切削油を塗って、切削

潤滑性を得るために、必ず切削油を塗ってからタッピングを行います。

ハンドルを送る力加減ですが、

送るときは強め、戻すときは添えるだけです。

送るときに弱めに送ってしまうと、タップは入り込もうとしているのにハンドルが追い付かず、

バイスが浮き上がってしまうことがあります

戻るときは逆転ですので、力を入れなくても自然に抜けてくれます。ハンドルを持つ手は添える程度で大丈夫です。

タッピング時の注意点

バイスをしっかり押さえておく

タッピングは、想像以上に負荷がかかる加工です。

ワークがタップに引っ張られて、回転してしまうことがあるので、しっかりハンドルを送るのとは反対の手でバイスを押さえておきましょう

怖い場合は、バイスが一定以上回らないようにするピンを、テーブルに設置しておくとよいです。

ハンドルとテーブルの干渉に注意

ワーク設置時に、テーブルの位置を調整し忘れると、ボール盤のハンドルにテーブルが当たってしまうことがあります

こうなってしまうと、タップは回転しているのに機械が送られない状態となり、バイスが浮き上がるか、ネジがつぶれます

危険なので、必ずテーブルとハンドルが干渉しないかはチェックしておきます。

軍手が巻き込まれやすいので注意

タップには、軍手のような布が引っかかりやすいです。

巻き込まれて大変危険なので、軍手をして作業するような場合は特に注意して行うようにしましょう。

ボール盤で穴あけをする方法

今回、私はステンレスSUS304に5キリをあけました。

基本はタッピングと同様です。

まずはワークの取り付け。今回は、比較的長ぼそい丸棒をバイスにつかみました。なので、バイスは底抜けの状態にしました。

底抜けの状態にしたときの注意として、ボール盤のテーブルの穴のところにつかむと、穴あけの圧力でワークが沈んでいってしまう危険があります。

そのため、テーブルの穴のない箇所に材料をとりつけるようにします。

穴のところにバイスが来ないように、テーブルを固定しておくとよいでしょう。

それが済んだら深さの設定をします。

タッピングと同様に、主軸を回転させずにワーク端面にドリルを当て、その状態でメモリを合わせます。

そして素振りをして、穴あけを開始します。

タッピング、穴あけともに、巻き込まれる危険があります。やばいと思ったらすぐにボール盤の「停止」ボタンを押すようにしましょう。

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