最近は、切削加工機械メーカーがレーザー積層機能という切削加工以外の加工機能を搭載する機械まで出してしまっています。
今回紹介するのはオークマのMU-6300V LASER EXです。
超複合加工機とはいいますが、複合機というよりは5軸加工機になります。
レーザー積層ってどんな機能?
まずはこちらの加工動画をご覧ください
まずはこちらの動画をご覧ください。
上の画像にあるような部品を加工する動画です。
レーザー積層での付加加工を行うことができる
切削加工機械ですので、通常であれば金属塊から削り出す除去加工を行って薄い羽の部分も削り出すことになります。
ですがこの機械の場合、羽の部分はレーザー積層で付け足し、最後に刃物での切削加工で仕上げるという流れで加工を行います。
レーザー積層は、動画のように細かい金属粉をワークに噴出させ、即座にレーザーで高温にしてその金属粉を溶かし、ワークを付加していく加工方法です。
メリット1.材料を小さくできるメリットがある
切削加工のみだと、いかに薄い羽がついている場合でも、大きい塊から削り出す必要があります。
ですがレーザー積層を使えば最低限の材料から羽の部分を付加すればよいだけなので、材料費を節約することが可能です。
また、材料が小さい分段取りもやりやすくなります。
メリット2.ミスや摩耗などの修正が可能
通常切削加工を始めとする除去加工で削りすぎてしまうと修正することは難しいです。
ですがこの機械でしたらレーザー積層で肉盛りし、再び削ることで簡単に修正を行うことができます。
デメリット.材質が限られる
加工動画の例でSUS304を使っているように、レーザー積層がやりやすい材質は限られてしまいます。
加工しやすいものであればブロンズ系やSUS系のものに限られるようで、焼きが入ってしまうような材質を積層したい場合は、可能かどうか確認する必要があります。
ちなみに下の動画のように、S55C材に対してハイス粉末の積層という形であれば可能なようです。
レーザー積層→切削の加工事例
こちらはおそらくJIMTOF2020で初公開された加工事例動画です。
旋盤をやったことがある方なら分かるかと思いますが、歪に気を使わなければならないリング形状です。
5軸加工でないと加工が難しい円錐形のピンがいくつもついていますね。
こういったワークでしたらレーザー積層がかなり活躍しそうです。
レーザー積層が可能な機械は6種類
オークマからレーザー積層が可能な機械はMU-6300V LASER EXだけでなく、6種類がラインナップされています。
サイズ違いのものをまとめてしまうと、5軸MC型のものと複合加工機型の2種類です。
このような機械はまだ一般的ではありませんが、積層の工程を集約できることでそれが必要なワークの加工効率が大幅に上がる機械なので、今後増えていくかもしれませんね。
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