入社してから旋盤一筋で腕を磨いてきた私が、汎用旋盤とNC旋盤の違いを解説しました!
NC旋盤と汎用旋盤は、「どちらのほうが良い!」というものではなくその各々にメリットがあります。
各々のメリットを把握して使い分けられるようになれば加工の幅が広がります(^^
NC:プログラムで動かす 汎用:手で動かす
1つ目の違いは、NC旋盤はプログラムを使って機械を動かし、汎用旋盤は手で動かすということ。
そのどちらにもメリットがあります。
プログラムで動かすメリット
人の手では難易度の高い加工も簡単に加工できる
例えば公差の入った曲面など、人の手では恐ろしく難易度の高い加工があります。
そういった加工もプログラムで動かせば、狂いなく刃物が動くため短時間で正確に加工できてしまいます。
複数個のものを効率的に加工できる
2個以上製作する必要がある加工品においては、プログラムでの加工が断然有利です。
理由は1度プログラムを作ってしまえば、全く同じ動きを速く正確に繰り返して加工してくれるから。
2個でもメリットがでる場合が多いのに、50個以上など中ロット以上となってくるとプログラムなしでの加工なんて考えられません。
プログラムの保存が可能
汎用機の段取りは、基本的には記憶の中にとどめておかなければ忘れてしまいますし、記録しておこうにもメモをとるなどの手間が必要になってしまいます。
一方プログラムを使っての加工はプログラムの保存が可能なため、行った段取りを間接的に記録しておくことができます。
2年ぶりに複雑な段取りのリピート注文がかかったということもたまにありますので、そんなときは大変助かります。
また、段取りをする人が変わっても前回の加工者のプログラムを参考に段取りを組むことが可能になります。
加工中に別の作業が可能
プログラムを使った加工では、一度段取りを完成させてしまえば起動ボタンを一度押すだけで勝手に加工を行ってくれます。
そのため、汎用機であれば加工中ずっと人がついていなければならないのに対し、NC機では加工中も機械を離れ別の仕事を行うことができます。
人の手で動かすメリット
一方汎用旋盤は人の手でハンドルを回して動かします。 そのメリットを見ていきましょう。
プログラムの作成をせずにすぐに加工にとりかかれる
NC機だとどうしても加工の前にプログラムを組むというひと手間が発生してしまいます。
1品もので削る量が少ないようなものは、NC旋盤でプログラムを作る時間があれば、その間に汎用機での加工を終えることができる場合もあります。
そういった場合では汎用機の方が短時間で加工できるため有利になります。
感覚を確かめながら削れる
汎用旋盤の加工では、金属を削っている感覚がダイレクトに体に伝わってきます。
この感覚がかなり大切で、例えばドリルやタップが折れそうという感覚や、刃先の状態、切削条件の良し悪しの感覚を感じ取ることで刃物の損傷を防いだり、いち早く切削条件を整えたりということが可能です。
例えば私はφ2未満の穴あけ・タップなど繊細な加工はNC旋盤ではなく汎用旋盤で行うことが多いです。
原点設定や工具の補正設定が必要ない
上記に加え、原点や工具の設定も同様です。
NC機はプログラムを使う以上、どうしても工具の補正値の設定や原点設定が必要になります。
一方汎用機ではそういった設定は必要なく、工具やワークを交換した際もすぐに加工に取り掛かることができます。
機械をぶつけるリスクが少ない
プログラムを組んで機械を動かしていると、プログラムのミスがあった際に主軸や壁にタレットをぶつけてしまう可能性があります。
そのためNC旋盤では機械をぶつけないために、以下の記事にまとめたような対策を日常的に行っていかなければならない負担があります。
一方汎用旋盤は自分が動かしたように動くため、NC旋盤のようにミスによって勝手に予想外の方向に動き出してしまうことはそうありません。
もちろん初心者のうちは汎用機でもぶつけるリスクはある程度ありますが、NC旋盤よりはリスクは少ないといえます。
NC:パワーチャック 汎用:三つ爪スクロールチャックor四つ爪単動チャック
NC旋盤は基本的に油圧で動くパワーチャック(油圧チャック)を装備し、汎用旋盤は手締めの三つ爪スクロールチャックもしくは四つ爪単動チャックが基本となります。
それぞれのメリットを解説していきます!
NC旋盤:パワーチャックのメリット
ワーク交換の効率が良い
パワーチャックの開閉は、ワンペダルで行うことができます。
そのためワーク取替えの時間を短縮でき、数のある加工に適しています。
圧力を一定にすることができる
パワーチャックはその締め付け圧力を数値で設定することができます。
そのため締付けごとに圧力が変化することがなく、例えば操作する人が変わっても同じ圧力でワークを締め付けることができます。
圧力の設定に勘が必要ない
上述のように圧力を数値で設定できるため、締め付け力を勘で調整する必要がなく、数値さえわかれば初心者でも適正な力でワークを掴むことができます。
高い圧力でのクランプが可能
パワーチャックは油圧を使った締め付けのため、締め付け力が強いです。
手締めの限界を越えた圧力で締め付けられますので、ワークを強い力で安定させたい際には向いています。
汎用旋盤:三つ爪スクロールチャック・四つ爪単動チャックのメリット
爪の段取りを変えずに掴める径の範囲が広い
3つ爪スクロールチャックの一番のメリットはコレだと思います。
爪を交換しなくても小さい径から大きい径まで掴むことができるため、汎用性に長けています。
パワーチャックでは場合によってはφ3寸法が変わっただけで爪の位置を動かさなければならず、その分手間が発生してしまいます。
パワーチャックで爪を動かす流れとしては
・チャックを固定
・ボルト6本を緩める
・チャックのセレーション・爪のセレーションの掃除
・爪を動かす
・再びチャックを固定しボルト6本を締め付ける
という工程が必要になりますので、スクロールチャックを使えばいかに時間を短縮できるかわかるかと思います。
極小の圧力で掴むことができる
スクロールチャックと4つ爪チャックは手で締めるため、ひずみ防止のためにほんの小さい圧力で掴みたい場合に重宝します。
そ〜〜っと締めれば手で掴むほどの弱い圧力でワークを掴むことも可能です。
一方パワーチャックでは最低の圧力でもそこその力があります。
例えば私の使っているパワーチャックでは、0.5の目盛り以下で締め付けるとシリンダが焼き付く恐れが出てくるため、それ以上の設定にしなければなりません。
しかしそれでは薄肉のワークは簡単に歪んでしまいます。
四つ爪の場合同じ圧力でも歪みにくい
四つ爪チャックの場合つかむ圧力が4箇所の爪に分散されるため、同じ圧力でもチャック圧によるひずみが生じにくくなります。
四つ爪の場合直方体など特殊な形状も掴める
四つ爪チャックを使えば直方体などの特殊な形状も安定して掴むことができます。
四つ爪の場合治具を使わず偏心の加工が可能
四つ爪チャックを使えば偏心の加工も治具を使わずに行えます。
丸ものの偏心加工だけでなく、角の偏心加工も行えるため、加工の幅が広がります。
四つ爪の場合完璧な芯出しが可能
三つ爪の場合は爪の成形直後を除いて完璧に芯を出すのは難しいですが、四つ爪であればどんな状況下でも完璧に芯を出すことが可能です。
芯出しについてはこちらの記事にまとめていますので興味のある方はご覧ください!
四つ爪の場合ほぼ爪交換の必要がない
汎用旋盤・NC旋盤ともに三つ爪は芯出しの関係で爪交換がたびたび必要になりますが、四つ爪チャックはワーク傷つき防止の板を噛ませても上記のように完璧に芯が出せるため、ほぼ爪交換の必要がありません。
そのため爪を交換する時間を短縮することができます。(その分四つ爪は芯出しの必要がありますが^^;)
チャックの交換が比較的簡単
NC旋盤ではチャックを交換することは基本的には不可能です。
ですが汎用旋盤であれば、チャックの交換はそう難しいことではありません。
四つ爪チャックと三つ爪チャックを場合に応じて交換することで、加工するワークに適したチャックを選ぶことができます。
さらに、チャックの代わりに面板を取り付けることも可能です。
面板についてはこちらの記事で解説しています
NC:Z軸摺動面が見えないところにある 汎用:摺動面がむきだし
摺動面とはすべり面ともいい、旋盤を精度良く動かすための基準面で、旋盤の命と言っても良い大切な面です。
X軸の摺動面は汎用・NC旋盤ともに目に触れるところにあります。
ですがZ軸摺動面に関しては汎用旋盤は画像のように剥き出しになっている一方、NC旋盤はカバーの奥にあるため普段は目に触れることはありません。
これにもそれぞれのメリットがあります
NC旋盤のZ軸摺動面のメリット
NC旋盤のZ軸摺動面は普段隠れたところにあるため、切り粉が入り込むことがほぼありません。
切り粉の打撃や噛み込みによる摺動面の痛みがないのは大きいメリットです。
また何かものをぶつけてしまうなどして摺動面を傷つけてしまう心配もありません。
さらにNC旋盤ならではの利点として摺動機構にリニアガイドを採用することができるという点があります。
リニアは衝撃に弱いですが、その分抵抗が少ないため早送り速度をあげられ、位置決め精度が高いというメリットがあります。
(リニアは衝撃に弱いためすべりガイドの方がおすすめです。私の普段使っているNC旋盤もすべりガイドです。)
ちなみにNC旋盤の”心押台”の多くはリニアガイドです。
汎用旋盤のZ軸摺動面のメリット
汎用旋盤のZ軸摺動面はむきだしなので、摺動面の管理がしやすいです。
ひと目見てその状態がわかるため、油を塗り込むなどのメンテナンスを容易に行うことができます。
NCと汎用では心押台の調整しやすさが違う!
汎用旋盤の心押台は、動画のように意外と簡単に調整することができます。
一方NC旋盤の心押台は調整が難しく、基本的にはメーカーサービスに頼んで調整してもらうかたちになります。
NCと汎用では心押台のパワーが違う
心押しの際、NC旋盤は数値にて圧力を設定できます。
そのためかなり強い圧力で心押しが可能です。
NC旋盤で圧力を高くし心押しを行うと重量のあるワークを支えるのに安定感が増しますし、重量物をチャッキングする際にも役に立ちます。
その一方、心押台を当てるだけのような超低圧にすることが基本的にはできませんし、ワークの抵抗がなくなると勝手に心押台が前進してしまうため、φ2などの細物は不得意ですし、心押台を使いながらの突切りといった加工はできません。
一方汎用旋盤は心押台の圧力はハンドルを回す力で決まります。
なのでそれほど高圧では押せませんが、ほんの少し支えるだけの超低圧の心押しが可能です。
抵抗がなくなっても勝手に前進することがないため心押台を利用して突っ切りも可能ですし、超細物の心押しも可能です。
NC:心押台に工具を取り付けて加工できない 汎用:心押台を使った加工が可能
汎用旋盤ならではのメリットとして、心押台に工具を取り付けて加工可能という点が挙げられます。
心押台に取り付けるのは基本的に穴あけ工具になりますが、心押台に工具を取り付けることで機械の中のストロークを大きくとることができ、加工範囲が広くなります。
なので私の勤務先を含め多くの場合はNC旋盤より汎用旋盤の方が深い穴あけを行うことが可能です。
一方NC旋盤では基本的に心押台には心押しセンターしか取りつけることができず、削る工具は取り付けることができません。
NC:フルカバー 汎用:カバーなし
NC旋盤は機械全体がカバーで覆われており、汎用旋盤にはまったくカバーがついていません。
これにもそれぞれメリットがあります。
NC旋盤 フルカバーのメリット
安全性が高い
フルカバーの一番大きいメリットは安全性が高いということです。
旋盤は、危険性の高い機械であることは否めません。
万が一爪を締め忘れて爪が飛んできたり、ワークが飛んできたり、工具がとんできたり・・・
そういった事故もフルカバーだと防ぐことができます。
大量のクーラントを使える
汎用旋盤では考えられないような量の高圧クーラントを噴射しながらの加工が可能なのもフルカバーであるNC旋盤のメリットの一つです。
クーラントによって切り粉を飛ばし、高い潤滑・冷却性能を得られます。
汎用旋盤:カバーなしのメリット
接近性が良い
汎用旋盤はカバーがないため、接近性が良いです。
突切りを行った際に受け止める操作や面当ての動作、心押し台の操作など、旋盤作業は何をするにも接近性が良いと便利になるので、その点でカバーがないのはやりやすいです。
加工の様子が見えやすい
カバーがないと加工の様子が見えやすいため、切削条件が悪く表面が荒くなっていた場合や切り粉がつながってしまっていた場合でもすぐに条件を整えられます。
また、自動送りの最中にぶつかってしまう危険もいち早く察知して対応しやすいです。
クーラントタンクの大きさの違い
汎用旋盤とNC旋盤ではクーラントタンクの大きさがかなり違います。
NC旋盤は数百リットルある一方、汎用旋盤のクーラントタンクは十数リットル程度でしょうか、本当に小さいです。
そのため汎用旋盤のクーラントはすぐに濁ってきてしまいますし、長時間の使用にも向いていません。
長時間クーラントを使用した加工を前提とするなら、NC旋盤の方が向いているといえます。
刃物台の位置が違う
汎用旋盤は手前側に刃物台がついているのに対し、NC旋盤は刃物台(タレット)が奥側についています。
汎用旋盤:手前に刃物台がついているメリット
1つ目のメリットは切削箇所が見えやすいことです。
そして2つ目は突切りの際にワークが手前に飛んでくる事故が起こりにくいこと。
さらに工具を取り付ける際に芯高を合わせやすいです。
どれも、カバーがなく手で動かす汎用旋盤には必須の機能といえますね。
NC旋盤:奥に刃物台(タレット)がついているメリット
NC旋盤の構造上、旋回式刃物台(タレット)を装備するのであれば奥側の方が向いています。
タレットを使えるのが、この場所についている唯一にして最大のメリットです。
上記の汎用旋盤のようなメリットは失われますが、後述するようにタレットには多くのメリットがあります。
刃物台の種類の違い
汎用旋盤は四角いフラット式刃物台、NC旋盤はタレット(旋回式刃物台)が基本的には装備されており、刃物台の種類が違います。
それぞれのメリットを解説していきます!
汎用旋盤の刃物台のメリット
芯高を合わせやすい
前項の内容と少し被りますが、汎用旋盤の刃物台の方が芯高を合わせやすいです。
そのため自作バイトをはじめとした、研ぐたびに芯高が変わるバイトや推奨より細いバイトでも芯高を比較的簡単に合わせられるため気軽に活用できます。
刃物を傾けて加工できる
刃物台の旋回部分を少し傾けた状態でクランプすれば、大体の角度を合わせたテーパー面取りが簡単に行なえます。
汎用旋盤ではテーパーを削るのに刃物台本体を傾ける必要がありますので、その手間なしに簡単にテーパーを加工できるのは汎用の刃物台ならではの小技です。
NC旋盤のタレットのメリット
工具取付本数が多い
汎用旋盤では基本的に工具は4本までしかつけることができませんが、NC旋盤のタレットであれば通常12本の工具を取り付けることができます。
一度の段取りで多様な工具を使えるため、工具交換の手間が省け、かなりの時間短縮になります。
刃物台を回しても位置精度が出る
タレットは、旋回させても工具の位置のズレがほぼ起きないように作られているため、工具取り付け時に一度オフセット(工具形状の補正)を行ってしまえば、タレットを回して工具を換えても正確な寸法で削り出すことができます。
そのため汎用旋盤と違い、工具交換の直後に仕上げの工具を使う場合でも、ゼロセットや仕上げしろを残して公差に入れる作業を毎回行うことなく加工を行うことができます。
内径バイトの芯高をあわせる必要がない
NC旋盤のタレットは画像のような内径工具用ホルダをとりつけることができます。
これは円筒形のスローアウェイバイトに限ったことですが、この内径工具用ホルダに内径バイトを取り付ければ、汎用旋盤のように芯高調整を行う必要がありません。
突出し長さ調整も簡単に行うことができるため、内径バイトに関してはNC旋盤はかなり扱いやすくなっています。
Y軸やミーリングのオプションをつけることが可能
Y軸やミーリング機能をつけられるのもタレット式の刃物台の特徴です。
とはいえ正確にはY軸に関しては機械構造上の機能ですのでタレットの機能とは言えませんし、ミーリング含めこの機能がついてしまうともはやNC旋盤という機械の枠を脱してしまい、ターニングセンタとも呼ぶようになってしまいますが^^;
こういった機能はタレットの特徴というよりかはNC機械による特徴と言ったほうが良いかもしれませんね。
工具の取り付けやすさが違う
NC旋盤と汎用旋盤は刃物台の形状や接近性が違うため、工具の取り付けやすさにも差があります。
まず汎用旋盤は手研ぎバイトを始めとする特殊な工具の取り付けを行いやすいです。
手研ぎのバイトは研ぐたびに芯高が狂ってしまうため、先に書いた汎用旋盤の芯高の合わせやすさが活きてきます。
一方NC旋盤では先述の通り内径バイトの取り付けがかなり行いやすいです。
回転数の違い
基本的には汎用旋盤よりNC旋盤の方が回転数を上げることができます。
たとえば私の勤務先の汎用旋盤は最高約1800rpmなのに対し、NC旋盤は5000rpmです。
実際に5000rpmも回したことはありませんし、私は2000より大きい回転数は頻繁には使いませんが、回転数をあげられると加工の幅が広がりますのでNC旋盤の一つのメリット言えますね。
回転数の変更方法の違い
汎用旋盤が歯車の組み合わせを変えることで回転数を変えるのに対し、NC旋盤はモーターの回転を直接主軸に伝えることで回転数を変化させます。
そのためNC旋盤では加工中でも無段階の連続的な回転数の変化が可能になります。
その活用事例として代表的なのが周速一定制御です。
旋盤加工においては、同じ回転数ではワークの中心に近づけば近づくほど周速は低くなります。
そのため例えば端面加工の際など、中心に近づけば近づくほど回転数を上げることで周速を一定に保った加工が可能になります。
この機能は適切な条件で加工して加工スピードを上げたり、表面の仕上がりを均一に保つためにかなり便利で、NC旋盤の大きなメリットの一つです。
周速一定制御についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください!
トルクの違い
あくまで傾向ですが、一般に汎用旋盤は低速トルクが強く、NC旋盤は高速回転でのトルクが強い傾向にあります。
そのためハイスを使った角ねじ切りなど低回転での加工が必要な場合は汎用旋盤が有利になります。
ストロークの違い
旋盤の大きさにもよりますが、プロ仕様の売れ筋の機械を比べた場合に、NC旋盤より汎用旋盤の方がZ軸ストロークが長い場合が多いです。
私の使っているNC旋盤 LB3000EXは心間500ですが、汎用旋盤(森精機の8尺)は心間850ほどあります。
長尺物は汎用旋盤のほうが幅広く加工できるということです。
先日も穴が深い製品を、まずはじめにNC旋盤で穴以外を加工し、ストロークが足りずあけられなかった穴だけを汎用旋盤で加工しました。
このように汎用旋盤はストロークが長い分(ものにもよりますが)NC旋盤の足りないところを補うような使い方ができて便利です。
ハンドルの有無
汎用旋盤には各所に手回しハンドルがありますが、NC旋盤にはパルスハンドルしかありません。
やはり汎用旋盤の昔ながらの手回しハンドルは一点物を加工するには都合がよく、NC旋盤にもついていれば便利なのにと思ってしまいます。
ちょっとしたものをハンドルを使って手軽に加工できるのは汎用旋盤ならではのメリットですね。
購入金額の違い
当然ですが、汎用旋盤よりもNC旋盤の方が複雑な機械なため、値段も高くなります。
とはいえ同じ旋盤でありながらこれまでに書いてきたように様々な違いがある機械ですので、目的に合ったものを購入することが一番大切です。
最後に
汎用旋盤とNC旋盤の違いについて思いついたもの全てを書きましたが、かなりの量になってしまいました。
これほどの違いがあるので、用途によって使い分けられるようになればかなり加工の幅が広がり、時間効率も良くなります。
片方しか使っていない方は、ぜひこの機会にもう一方にもチャレンジしていただければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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