玉掛け資格の合格率は?難しいかどうか、実体験をもとに解説!

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玉掛けの資格は、現場での安全作業を支える重要な国家資格のひとつです。とはいえ、初めて挑戦する人にとっては「難しそう」「落ちる人もいるのでは?」と不安になるのも自然なことです。

この記事では、「玉掛け資格の合格率」と、「玉掛け資格が難しいかどうか」に焦点を当て、合格のリアルな確率や試験の難易度について、私自身の実体験をもとに徹底的に解説していきます。

実際に5日間の講習に参加し、学科・実技の両試験を受けた経験から、「合格率が高い理由」「油断すると落ちる落とし穴」「実技試験でつまずくポイント」など、他にはない一次情報を具体的にお伝えします。

玉掛けの資格にこれから挑戦する方が、「実際どうなの?」という疑問を解消できるよう、信頼できる情報だけを厳選しました。読み終えるころには、自分に必要な準備と対策が明確になっているはずです。

  1. 玉掛け資格の合格率はどのくらい?【結論:かなり高い】
    1. ▶ 実体験:私が受講した講習では全員が合格
    2. ▶ 全国平均の合格率:96〜98%の信頼性
    3. ▶ 合格率が高い理由:講習と試験が“受かる設計”だから
      1. ① 教官が「出るところ」を明確に伝えてくれる
      2. ② 実技も“演技”でOKな部分が多い
      3. ③ 対応する内容がシンプルで理解しやすい
    4. ▶ とはいえ油断は禁物:「落ちる理由」も存在する
      1. 遅刻・欠席による失格
      2. 講義中の居眠り
      3. 実技に対する準備不足
    5. ▶ 合格率の高さは“努力しなくていい”という意味ではない
  2. 玉掛け資格は難しい?【体験談ベースでリアルな難易度を解説】
    1. ▶ 実際の講習日程と試験内容(5日間、学科+実技)
    2. ▶ 合格のカギは「真面目に受けること」「寝ないこと」
    3. ▶ どこでつまずきやすいか?(学科の法令、実技の緊張)
      1. ① 学科の「法令」分野
      2. ② 実技の緊張感
      3. ③質量目測・ワイヤーロープの選定
    4. ▶ 難易度を上げる要因:遠方の会場・朝の遅刻・準備不足
      1. 会場が遠い(私の場合、片道2時間)
      2. 質量目測・ロープ選定に準備が必要
      3. 緊張のコントロールができない
  3. 学科試験の内容と攻略法【出るところは明確です】
    1. ▶ 出題形式は三択問題(全100点)
    2. ▶ 試験範囲と配点(玉掛け50点、法令10点など)
    3. ▶ 合格基準:全体で60点以上+各分野4割以上
    4. ▶ 電気分野は出題なし?私が実際に受けた内容
    5. ▶ 試験対策のコツ:教官の言う「出る場所」にラインを引く
    6. ▶ 実際に出た問題(例)
  4. 実技試験はこう乗り切る!【緊張との戦い】
    1. ▶ 実技試験の内容と配点(実技50点+合図20点+質量目測20点+ワイヤーロープ選定10点)
    2. ▶ 質量目測とワイヤーロープ選定は当日朝の自主測定で先取り可
    3. ▶ 合図・声出しのポイント:「演技」になっても大丈夫
    4. ▶ 本番で緊張して失敗しないための練習法
    5. ▶ 周囲の受講者と確認し合えば安心できる
  5. 玉掛け資格を確実に合格するための5つのコツ
    1. 事前に会場までのルートと到着時間を確認(寝坊対策)
    2. 教官が強調した箇所は必ず復習しておく
    3. 実技については、当日頑張ればOK
    4. 質量目測、ワイヤーロープ選定は必ず準備しておく
    5. 5. 周囲と協力して情報を共有する勇気を持つ
  6. まとめ|玉掛け資格は“難しくない”。でも油断しないで!

玉掛け資格の合格率はどのくらい?【結論:かなり高い】

この記事にたどり着いてくださった皆様の多くは、「誰でも合格できるような簡単な資格なのか?」という不安を抱えているはずです。先に結論をお伝えすると、玉掛け技能講習の合格率は全国平均で96〜98%と、非常に高い水準にあります。

これは、国家資格でありながら“落ちにくい資格”のひとつであることを意味しています。

▶ 実体験:私が受講した講習では全員が合格

実際に私が受講した「玉掛け技能講習(+クレーン特別教育の併合講習)」では、参加者約60名中、約20人ずつに日程が分けられて実技試験を受けたのですが、私の参加した日程の約20人全員が合格していました。

講習後に修了証が手渡されるのですが、グループ20名全員が集められ、全員に修了証が手渡されていました。

ただし、これは“たまたま”ではありません。他の地域や会場でもほぼ同様の合格率となっていることが、複数の調査・データからもわかっています。

▶ 全国平均の合格率:96〜98%の信頼性

実際に、公益社団法人 全国工業高等学校長協会の調査(令和3年度)によると、

玉掛け技能講習の合格率は98.2%

この数値は信頼性が高く、全国平均としても妥当な数字です。

もちろん受講者の層や会場によって若干の差はありますし、他のサイトでは96%と記載のあったところもありましたが、いずれにしても95%を下回ることは稀です。

この高い合格率こそが、「玉掛けの資格は難しいのか」という疑問に対する、明確な安心材料になるかと思います。

▶ 合格率が高い理由:講習と試験が“受かる設計”だから

では、なぜこれほど合格率が高いのでしょうか?私自身その講習を受けていますので、その理由は以下のように整理できます。

① 教官が「出るところ」を明確に伝えてくれる

学科講習中、教官が「ここ大事」「線引いて」と明言してくれます。

講習初日から最終日まで、出題傾向が明確に示されるため、対策が非常にしやすい講義になっています。

② 実技も“演技”でOKな部分が多い

実技試験では、合図や声出しなどの“安全確認”が重要視されますが、完璧な技能より「覚えてその通りにやる」が評価基準になります。

教官が繰り返し4回ほど練習させてくれるため、真面目に実技の練習を受講していれば、合格点に達するのは難しくありません。

実技は減点方式の評価です。間違えても大きく減点されるわけではないため、致命的な失敗をしなければ合格できます。

③ 対応する内容がシンプルで理解しやすい

玉掛け作業は、安全を前提にシンプルな動作とルールで構成されています。複雑な理論や計算を求められる場面はなく、計算問題も小学校高学年レベルの簡単な内容で、真面目に講義を聞いていれば誰でも理解できる内容です。

▶ とはいえ油断は禁物:「落ちる理由」も存在する

合格率が高いとはいえ、100%ではないのも事実です。

私は受験番号15番でしたが、実技にいた人数は14人目でした。受験番号が飛んでいるということは誰かが欠けているということ。その理由が遅刻なのか辞退なのか何なのかはわかりませんが・・・。

落ちる人には一定の傾向があります。私自身や他の受講者の様子、教官の話から、落ちる理由として、以下が挙げられます。

遅刻・欠席による失格

実はこれが最も多い不合格理由です。私の講習では、受講地が遠方だったため片道2時間の通学を余儀なくされました。

交通の便がそれほど良くないため、「寝坊」や「道に迷っての遅刻」が不合格に直結するケースは珍しくありません。

講義中の居眠り

教官の話を聞いていないと、試験でどこが出るのかを把握できず、学科試験で点が取れません。講義3日間のうち1日でも“完全に寝てしまう”と、後で解説する配点の関係上、特定の分野で4割未満の点数になり不合格になります。

実技に対する準備不足

「合図を忘れる」「質量目測・ワイヤーロープ選定の準備を怠る」など、準備不足からくる減点の積み重ねで不合格になる場合もあります。特に、後に解説する質量目測やワイヤーロープ選定を適当に済ませる人は危険です。

▶ 合格率の高さは“努力しなくていい”という意味ではない

合格率が高い=何もする必要がないと解釈してしまうのは危険です。

むしろ、合格率が高いからこそ「真面目に受けていればほぼ受かる」という試験設計になっていることを理解しましょう。

つまり、講義を聞いて寝ない・遅刻しない・対策をしておく

——この“当たり前”を守れるかどうかで、合格率96〜98%に含まれるか、残り2〜4%に含まれるかが決まるのです。

玉掛け資格は難しい?【体験談ベースでリアルな難易度を解説】

ここまで読んでこられて、「初心者でも本当に合格できるのか」「実際の試験ってどんな感じか不安」というマイナスな減ってきたかと思います。

ここでは、実際に受講した私自身の体験をもとに、リアルな難易度を詳しく解説します。

▶ 実際の講習日程と試験内容(5日間、学科+実技)

私が受けたのは、「玉掛け技能講習」と「クレーン特別教育」の併合コースで、日程は全5日間。

具体的には以下のようなスケジュールでした:

  • 1〜3日目:学科講習。3日目に学科試験
  • 4〜5日目:実技講習・実技試験(4日目)、実技講習・合格発表(5日目)

試験は3日目に学科、4日目に実技の試験があり、「玉掛け技能講習」のみが試験対象です。

この点は混同しやすいので注意してください。

試験は学科は通常通りの加点方式、そして実技の試験は減点方式です。致命的なミスがない限り、十分合格できる内容になっていますが、適当に受ければ当然落ちます。

▶ 合格のカギは「真面目に受けること」「寝ないこと」

私の体感として、玉掛け資格を「難しい」と感じるかどうかは、姿勢次第です。

講習は1日あたり7〜8時間程度。正直、眠気との戦いになる時間帯もあります。

しかし、教官は試験に出る箇所を明確に教えてくれますし、繰り返し「ここ重要」とアナウンスしてくれるため、

きちんと聞いていれば誰でも合格ラインに到達できる設計です。

逆に、居眠りをしていた人は内容が頭に入らず、三択問題で正解を選べない=落ちるという単純な構図になります。

▶ どこでつまずきやすいか?(学科の法令、実技の緊張)

講習を通じて、多くの受講者がつまずきやすいと感じたのは、以下の2点です。

① 学科の「法令」分野

全体100点中10点と配点は小さいのですが、5問しかない=1問で20%も占めるため、

4問以上間違えると基準(4割)未満となり即不合格です。

重要なポイントは説明されるものの、一番最後に習う部分でもあり、スピード感のある講義で進むため、注意して聞き逃さないようにする必要があります。

② 実技の緊張感

実技試験は、合図・声出し・笛の操作などを、10人以上の受講者と教官に見られながら行います。「前方ヨシ!」「後方より荷の監視をお願いします」など、一言一句間違えずに言う必要があります。

私は練習時には問題なくできていたのに、本番では緊張・疲れからか2つの合図をミスしました。

それでも合格できましたが、緊張がパフォーマンスを下げるリスクは非常に高いと感じました。

③質量目測・ワイヤーロープの選定

後述しますが、実技試験は、合格点数が70点以上にもかかわらず、30点を「質量目測・ワイヤーロープの選定」が占めます。

これは当日朝はやく会場に行って準備を行うことで高確率で正答できますが、準備を全くせず、すべて落とすと合格はかなり厳しくなります。

▶ 難易度を上げる要因:遠方の会場・朝の遅刻・準備不足

試験そのものは「真面目に受ければ受かる内容」ですが、それでも落ちる人が一定数いる理由は、試験の中身以外にあります。

会場が遠い(私の場合、片道2時間)

講習は朝9時から始まるため、6時台に家を出る必要がありました。

寝坊や交通トラブル=即失格となるため、物理的・時間的な負担が心理的なプレッシャーになります。

質量目測・ロープ選定に準備が必要

実技試験の一部である質量目測やワイヤーロープ選定では、教科書の比重一覧や計算方法の理解、そして何よりも当日朝や昼休みでの目測作業が不可欠です。

「まあ当日なんとかなるだろう」と思って朝や昼休みに何も準備せずにいた人は、正答・合格は難しいでしょう。

緊張のコントロールができない

実技試験の合図などは、「演劇」に近いです。10人以上の前で、決まったセリフと動作を間違えることなく行わなければなりません。

緊張もします。これは試験の難易度というより、向き不向きの問題です。

やはり私と試験を行った10人ほどの中にも、二人くらいミスが多い方がいました。二人とも最終的に合格していましたが、特に苦手な方は苦労するかもしれません。

学科試験の内容と攻略法【出るところは明確です】

玉掛けの資格を始めて受ける方にとって特に気になるのが、学科試験の中身ではないでしょうか。ここでは、私が実際に受けた講習内容に基づいて、学科の出題形式や攻略法を具体的に解説します。

▶ 出題形式は三択問題(全100点)

学科試験の形式は、私の記憶ではすべて三択問題です。マークシート方式で、基本的には1問2点の配点。

試験全体の満点は100点満点で、全問マーク式の選択問題となっています。(マーク式といってもマークシートではなく、解答用紙にマルをつける形式でした。)

試験時間は1時間程度(うろ覚えですみません)ですが、問題文自体は短く、普通に講義を聞いていれば時間は余ります。解き終わったらその時点で退出し、帰宅できるのですが、殆どの方が早めに退出できていたと思います。

出題範囲も講義内で教官がしっかり指摘してくれる箇所に限定されています。

▶ 試験範囲と配点(玉掛け50点、法令10点など)

出題分野と配点は以下の通りでした(実体験ベース):

分野問題数配点
知識10問20点
力学10問20点
玉掛け25問50点
法令5問10点
合計50問100点

この配点からも分かる通り、「玉掛け」の分野が点数のカギを握ります。一方、法令は5問しかありませんが、落とせない理由があります(後述)。


▶ 合格基準:全体で60点以上+各分野4割以上

合格ラインは単に「6割以上」と思われがちですが、実際はもう一段階条件があります:

  • 合計得点:60点以上
  • 各分野で4割以上の正解(捨て科目がNG)

つまり、合計点が70点あっても、法令で1問しか正解していなければ不合格になります。

この条件は意外と見落とされがちで、「全体で取れればOKだと思っていた」という受講者は、ここで脱落する可能性があります。

とくに法令は1問の重みが20%なので、気を抜くと一気に不合格になります。

▶ 電気分野は出題なし?私が実際に受けた内容

講義の中では、「電気」についてもかなりのボリュームで解説がありました。オームの法則、電圧、電流など、物理的な話が続く時間帯もありましたが——

実際の学科試験では「電気」に関する問題は一切出題されませんでした。

これは会場や講習機関によって違いがある可能性はあるものの、私が参加したクレーン協会の講習では完全に出題範囲外

教官が最初に出題分野を説明してくれるのですが、その範囲に入っていない分野だったので、私も寝ても良いと判断し、半分寝ているようなうつらうつらな状態で聞いていました。

結果的には電気分野は一切出ず、準備ゼロでも問題なかったという印象です。

▶ 試験対策のコツ:教官の言う「出る場所」にラインを引く

学科試験対策で最も効果的だったのは、教官の発言に従って教科書にラインを引くことでした。

私が受講した講習では、1日目から3日目までの各教官が、「ここ出るよ」とはっきり言ってくれました。特に印象的だったのは、3日目の教官が初日に戻って、重要項目を全範囲で復習してくれたことです。

つまり、仮に1日目・2日目で集中力が切れていても、3日目の復習だけ聞いておけば合格ラインには到達できる構成になっていました。

とはいえ、これは担当教官による可能性があるため、復習はないものと想定してしっかり講義を聞いておくのが間違いありません。

私は、教官の指示があった箇所に蛍光ペンで線を引き、ページの角を折って付箋を貼り、試験当日の講義中に3回復習するようにしました。

▶ 実際に出た問題(例)

実際の試験では、以下のような問題が出題されました:

Q. 浮きクレーンは、(    )をポンツーンに装備したクレーンで、水上の移動が可能である。

a:ジブクレーン b:ロコクレーン c:クローラクレーン

→ 正解:a

Q. すて巻きは、つり具を最も低くなる位置まで巻き下げした場合に、なおワイヤーロープがドラムに(  )巻以上残っていなければならない。

a:2 b:3 c:4

→ 正解:a

これらは、講義中に教官が「出る」と断言した項目ばかりでした。

ですが、何も知識がない状態で正解肢を選ぶのは難しいですよね。しっかり講義を聞いておく必要があるということが理解できるかと思います。

実技試験はこう乗り切る!【緊張との戦い】

玉掛け資格が難しいと感じるとすれば、実技試験が最大の山場です。試験の内容は一見シンプルですが、緊張・準備不足・周囲の視線という要素が重なることで、予想以上に難しく感じる場面が多いのも事実です。

ここでは、私が受けた試験をもとに、実技の中身・配点・事前準備・緊張対策まで具体的に解説します。

▶ 実技試験の内容と配点(実技50点+合図20点+質量目測20点+ワイヤーロープ選定10点)

私が受けた講習(クレーン協会主催)では、実技試験は下記4つのパートに分かれていました:

内容配点
玉掛け作業本体50点
合図(声・笛)20点
質量目測(4問)各5点 × 4=20点
ワイヤーロープ選定(2問)各5点 × 2=10点

合計で100点満点中、70点以上で合格という基準です。

ここで重要なのは、質量目測とロープ選定で点を落とすと、残りの合図・実技でミスが許されなくなるという構造です。

特に緊張しやすい「合図・声出し」は減点の温床になりやすいため、事前に点が取れる部分で確実に得点しておく必要があります。私も本番では2箇所ミスがありました。

▶ 質量目測とワイヤーロープ選定は当日朝の自主測定で先取り可

質量目測では、会場に設置された4つのサンプル(鋼棒・丸棒・鋼板・コンクリートブロック)から体積を概算で算出し、比重を掛けて重さを求めます。

定規などの測定器具は使えません。私の場合は、自分の指の幅やテキストの長さ、笛のヒモを使って概算する方法を使いました。これは担当教官が教えてくれた方法です。

ここでのポイントは、試験前に測定ができるということです。

  • 早朝に会場に入り、時間のあるうちに4種すべての質量の概算を事前に済ませる
  • 計算結果に1.1倍程度をかけて“安全側に”答えを寄せる(+30%までは減点対象外)
  • 答えをノートや付箋にメモして、試験前に再確認できるよう準備する

実際、私はこの方法で質量目測の4問すべて満点を獲得しました。

同じく、ワイヤーロープ選定も、会場内のショーケースにある複数のワイヤーから正しい太さを“目視”で選びます。

こちらも質量目測と同様に早めにチェックし、「正解より1つ太いワイヤー」までは減点にならないという採点基準を事前に把握しておけば、正答するのも容易です。

ワイヤーロープ選定の問題例。実技試験で、このような問題が2問出ます。

▶ 合図・声出しのポイント:「演技」になっても大丈夫

実技試験の中で最も“難しく感じる”のが、合図・声出し・笛の操作です。

例えば、「前方ヨシ!」「張力ヨシ!」「後方より荷の監視をお願いします」といったセリフを一人で順番通りに披露します。

これは、他の受講者10人以上+教官の前で行うため、本番特有の緊張感があります。

私も練習では完璧にこなせていたのに、試験本番では2か所ミスをしてしまいました。(指さし忘れと順番間違い)

それでも、減点にとどまり、合格には影響ありませんでした。

しっかり他の人の練習を見ながら頭の中でシミュレーションを繰り返すことで、動きを覚えるようにしましょう。

▶ 本番で緊張して失敗しないための練習法

緊張対策として私が効果的だったと感じたのは、以下のような練習法です:

  • 合図は一連の流れで暗記し、読み上げる練習(演劇のように覚える)
  • 笛の合図→声出し→確認→操作の流れを体に染み込ませるよう繰り返す

これにより、試験当日も多少のミスはあったものの、落ち着いて動作を続けることができました

実技については当日教官が指導をしてくれるため、事前の準備は必要ありません。このことは、当日意識して臨むレベルで十分です。

▶ 周囲の受講者と確認し合えば安心できる

実は、実技試験当日の休憩時間に、他の受講者と解答の確認をすることができました。

もちろん公式に“カンニングOK”ということではありませんが、質量目測の数値やロープの選定を話し合う雰囲気が自然に生まれており、それによって自信を持って試験に臨めたのも事実です。

自分ひとりで完璧に準備する必要はありません。周囲と協力しながら、「これで大丈夫」と思える確認作業が、最大の安心材料になります。

玉掛け資格を確実に合格するための5つのコツ

私も含め、会社からの指示で教習に参加し、絶対に落ちるわけにはいかないという方も多いでしょう。ここでは「どうすれば確実に合格できるのか?」という具体的な行動指針をご紹介します。

事前に会場までのルートと到着時間を確認(寝坊対策)

まず第一に伝えたいのは、遅刻=即不合格だということです。おそらく不合格の理由で一番多いのがこれでしょう。

私自身、講習会場まで片道2時間かかる遠方の場所でした。

都会の中心部に講習施設が少ないため、多くの人が早朝出発を強いられると思います。

  • 前日にスマホで経路検索し、予備のルートも確認
  • 目覚ましは2段階+家族にも起こしてもらう
  • 初日は30分前に着く気持ちで行動

このくらいの準備は最低限必要です。寝坊=即不合格となる以上、ルート確認は最優先事項です。

また、休憩時間に車で休憩する場合など、寝てしまって戻るのが送れても失格になってしまいます。

教官が強調した箇所は必ず復習しておく

学科講習中、教官は「ここが大事」「線を引いてください」と明言してくれます。

私が受けた講習では、3日目の教官が、1日目と2日目の重要ポイントを総復習してくれました。

このタイミングで重要ポイントをノートにまとめ、以下のように活用しました:

  • マーカーを引いたページに付箋
  • 試験当日の講義中に3回見直す

結果的に、ほぼ予告通りの問題が出題され、焦らず回答できました。教官の言葉は試験の答えに直結するヒントですので聞き逃さないことが重要です。

実技については、当日頑張ればOK

実技のに関しては、正直なところ「本番当日に集中してやれば合格できる内容」です。(質量目測とワイヤーロープ選定は早出の事前準備が必要です)

私自身、緊張で合図の順番を2つ間違えましたが、全体で見れば大きな失点にはなりませんでした。

これは、減点方式であり、落とさないための指導を教官がしっかり行ってくれるためです。

事前に流れだけ理解し、当日しっかり頑張れば問題ありません。

完璧を求めすぎてパニックになるより、重要な部分をしっかり間違えずに動作することが、得点への近道です。

質量目測、ワイヤーロープ選定は必ず準備しておく

この2つのパートは、実技試験の中でも事前に準備して点を稼げる重要セクションです。

先項で解説した通り、当日早出しての準備を怠らないようにしましょう。

5. 周囲と協力して情報を共有する勇気を持つ

私が受講した会場では、休憩時間や試験前に周囲の受講生と情報を確認し合う雰囲気が自然に生まれていました。

  • 「質量の計算結果いくらになりました?」
  • 「あのロープ何ミリに見えますかね?」

このようなちょっとした会話が、解答への自信につながることもあります。

もちろん最終的には自分の判断で答える必要がありますが、周囲と協力して不安を減らすのは合格への有効なアプローチです。

「ひとりでなんとかしなきゃ」と思い込む必要はありません。

まとめ|玉掛け資格は“難しくない”。でも油断しないで!

私自身が「玉掛け技能講習」を受けて感じたのは、内容自体は決して難解ではないが、気を抜けば普通に落ちる可能性はあるということです。

合格率は全国平均で96〜98%と非常に高く、実際に私が受けた会場でも実技を受けた全員が合格していました。

ただし、高い合格率に安心しすぎるのは禁物です。

実際、講習に来ていた60人弱のうち、実技に進まなかった残りの受講者の結果までは分かりません。

遅刻・居眠り・準備不足といった当たり前の落とし穴で、不合格になるケースもあるのです。

講義中の居眠りは、三択問題の正答率に直結しますし、特に「法令」は全5問中4問間違えれば不合格という配点構成になっているため、捨て科目を作らない努力が必須です。

また、実技では質量目測やワイヤーロープ選定で事前に点数を取っておかないと、合図や笛の操作の減点をカバーしきれなくなります

私は実技で2つの合図をミスしましたが、事前準備をしていたおかげで合格できました。

つまり、玉掛けの資格は、「試験慣れしていない人」にとってこそ注意が必要な試験です。

内容は難しくないですが、講義を真面目に受け、試験に向けた基本的な準備を怠らなければ確実に合格できる資格であることは間違いありません。

そしてこの資格は、「受かればそれで終わり」ではなく、現場での安全作業の第一歩としての意味を持つものです。

だからこそ、試験に受かれば良いという気持ちではなく、安全な作業のやり方を覚える心持ちで臨むことで、自然と合格できていると思います。

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