機械技術5月号の5G関連加工技術が面白い!
今月の加工技術を読んでみたところ、メインテーマは5G関連部品の加工技術でした。
零細町工場レベルでは縁がないほどの加工ですが、面白い内容がありましたので一部抜粋して紹介します。
本記事では著作権の許す限りでしか内容を掲載できませんので、気になる方はぜひ雑誌を手にとってみてください!
φ0.075の穴を17L/Dの深さでセラミックに加工!?
5G関連の部品、相当微細で精密な加工が必要になるようです。
そのことがひと目で分かるのがこちらの部品
画像のように開いている大量の穴、なんと穴径φ0.075mmで深さ1.3mmと17L/Dもの深さで加工しています。
しかも材質がセラミック!(とはいえマシナブルセラミックという切削工具で削れるセラミックです。)
この加工には碌々産業の精密加工機械が使われています。
この機械は微細加工を専門とした機械です。これほど細いドリルとなると、専用機を活用せざるをえないということにもうなずけますね。
φ0.1のエンドミルで60HRCのダイス鋼に深溝加工!?
5G関連はとにかく微細な加工が要求されます。
次に紹介するのは日進工具の記事に載っているφ0.1mmのCBNエンドミル。
焼入れ鋼のような硬い材料を削るのに使われるCBN材種ですが、その材質でできたφ0.1mmのエンドミルが使われています。
それが画像のエンドミル。著作権の都合上モザイク処理をしていますが、エンドミルの形状はなんとなくわかりますね。
これがφ0.1mmというので驚きです・・・!
コーナRをつけることでチッピングを防止している
上がコーナRなし、下がコーナRあり
CBN材種をはじめとする焼入れ鋼用の小径エンドミルはとにかく硬いので、チッピングが起きやすいです。
そのため刃先が欠けないようにするために、コーナRをつけることの有効性を検証した結果が上の画像。
モザイクをかけているためわかりにくいですが、上画像(コーナRなし)より下画像(コーナR0.01)の方がRが小さくなっているのがわかるかと思います。
一見コーナRがないほうが鋭い角に仕上げられるかと思いきや、硬い材種だとチッピングしてしまうため、コーナRがあったほうがむしろ鋭い角に仕上がるという結果になっています。
たった0.01mmのコーナRですが、φ0.1mmエンドミルのような微細な世界になってくると重要なことなんですね。
φ0.1のエンドミルで3Dの溝を高条件加工!!
いよいよ加工事例です。
φ0.1mmのCBNエンドミルを使って、60HRCのダイス鋼に深さ0.3mm(3D)の溝を100本加工しています。
なんとその条件S120000のF300!!
これはすごいとしか言いようがないですね。
CBNのポテンシャル恐るべしです。
最後に
微細すぎて私にとって普段の仕事には縁のないレベルの加工ですが、このようなハイレベルな加工は見ているだけで面白いですよね。
今後も面白い加工があったら紹介していきますのでお楽しみに(^^
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