
金属加工において、使用する材料の選定は製品の品質やコスト、加工工程に大きな影響を与えます。特に旋盤などの切削加工では、材種によって必要な工程や加工精度が大きく異なります。
この記事では、代表的な4種類の材種――黒皮材、ピーリング材、引き抜き材、センタレス材――それぞれの特徴や表面精度、価格、加工のしやすさについて解説します。どの材種を選ぶべきか迷ったときに役立つ情報を、初心者にも分かりやすく簡単にまとめました。
「どの材料が高精度?」「旋盤で外径加工が必要なのは?」「コストを抑えたい場合は?」といった疑問に答えながら、材種選定の基本を押さえていきましょう。
基本的な材種は4種類
黒皮材
溶解した金属をそのまま冷やしたもの。
表面の硬い酸化被膜がそのまま残っています。
表面の精度は非常に悪いです。
その他に、鋼材では磨き材もよく使います。
ピーリング材
黒皮材から一皮むいた素材です。
指定寸法よりやや(0.1mm程度)大きめにできています。
精度は比較的ありますが、軸部品などにそのまま使うほどの精度はありません。
引き抜き材
ダイスを通して成型した材料です。
ちょうどケーキにクリームを出すアレのような感じで成型されます。
ダイスの形状が転写されるため、加工が不必要なほどの精度を持ちます。
寸法は、指定寸法よりやや小さめ(0.01mm程度)になります。
センタレス材
材料を研磨機で磨き、精度を出した材料です。
最も高い精度を持ちます。見た目も良いです。
しかし、その分値段が高くなります。
黒皮材とピーリング材は、表面を仕上げる必要あり。
旋盤を使って加工するにあたって知っておかなければならないことは、
黒皮材とピーリング材は外径加工が必要で、引き抜き材とセンタレス材は不必要ということです。
理由としては、黒皮材とピーリング材は寸法精度と表面粗さが十分に出ていないからです。
どの材料が一番高価なの?
値段の順番は、安い方から黒皮材、ピーリング材、引き抜き材、センタレス材です。
やはり、値段の順に精度も高くなりますし、見た目や表面粗さも良くなります。
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