私は大手企業総合職を辞め、2016年から旋盤工として総数7人の超零細町工場で働いています。
自分で選んだ道ですし、日々充実した生活を送っているのですが、当然ですが仕事ですのできついこともあります。
最近はマシニングセンタもさわるようになりましたので、NC・汎用旋盤と対比、付け加えるかたちでマシニングセンタをやっていてきついところを本記事にまとめました!
なお勤務先は少量多品種の単品もの屋なので、数物屋だとまた辛さも変わってくると思います。
こちらの記事と内容が被る部分も多くでてきますので、被る箇所は一部省略して記載しています。
納期に追われるストレス
NC旋盤と同様、納期に追われるストレスが一番大きいです。
納期がギリギリの中トラブルを起こしてしまうと相手先にも迷惑になりますし、自社の信用を落としてしまい、上司・社長に謝ってもらわなければならなくなります(^^;
特にマシニングセンタはNC旋盤と比べて一つの製品を作るのに時間がかかることが多いです。
基本的にサイクルタイムと工程数がマシニングのほうが多くなりやすいですからね。
その分トラブルを起こしたときの辛さはマシニングセンタのほうが大きくなりやすいです。
また、作業工程によって時間が変わりやすいのもマシニングセンタ加工の特徴です。初心者と熟練者では、そもそも加工手順自体が変わる場合もあるため、時間に倍半分の差が出ることもザラにあります。
ミスれないストレス
こちらもNC旋盤と同様ですが、マシニングセンタは材料入荷に時間がかかることが多い上、後加工も多いので、なおさらミスれないストレスがかかりやすいです。
材料入荷に時間がかかるためミスれない
マシニング加工では6F材(六面フライス加工材のこと)を使って加工を行うことが多々あります。
6F材は6F屋さんに注文後、基本的にオーダーメイドで加工してもらって入荷する流れのため、どうしても材料が届くまでにある程度の時間がかかります。
ミスったからといって即日6Fを入れてもらうことは難しいんです。
納期ギリギリで6Fからの製品をミスってしまうと自分で6F材を削り出す必要がでてきますし(これがなかなか手間です)、納期に遅れてしまうこともあります。
そのぶん材料をすぐ用意しやすい旋盤と比べてミスのダメージが大きくなりやすいです。
後加工が多いためミスれない
マシニングは旋盤加工後の製品を後加工することも多いです。
先に旋盤でかたちを作っておいて、マシニングで2面をとったり、穴をあけたりといったことですね。
マシニングでの後加工でミスってしまうと、当然前工程の旋盤からやり直さなければいけません。
ミスると自分に負担がかかるだけでなく、前工程の加工者に負担をかけてしまうというのが大きいプレッシャーになります。
(さらにその後加工を担う研磨屋さんはより厳しいプレッシャーの中で仕事をなさっていると思います。私はやりたくないです^^; )
工程が多い・サイクルタイムが長いためミスれない
マシニングでの加工は先述のように旋盤加工と比べて工程数が多く、時間がかかる場合が多いです。
旋盤加工は2~3工程で終わるものがほとんどですが、マシニングセンタは4工程以上のものもざらにあります。
6工程ある製品の最終工程でミスったときなんてもう絶望です。
それからもう一点、旋盤と比べてサイクルタイムが長くなりやすいのもマシニングの特徴です。
サイクルタイムが長い分やり直すのに時間がかかるため、ミスったときのダメージが大きいです。
ミスったときの絶望感
この仕事は基本的に削り過ぎたら終わりです。
2日がかりで作った製品の最終工程でミスってオシャカにしてしまった場合など、かなりの絶望感に襲われます。
マシニングは先述のように工程が多く時間がかかるものが旋盤より多いため、6工程の最終工程でミスった・・・なんてことになったら最悪です。
まあ、このような緊張感の中で難しいものを上手く仕上げきったときの達成感はひとしおなんですけどね。
ぶつける対策に気を遣わなければいけないストレス
特に初めのうちは、機械の干渉には常に注意を払っていないといけません。
機械をぶつけてしまうと、最悪機械に永久的な精度の狂いが残ってしまいます。
NC旋盤と同様にマシニングセンタも初心者のうちにぶつけてしまうことはめずらしくありませんので、常に気を張っていなければならないのはストレスですね。
ですがこの点は、車の運転と似ており、慣れてくると良い意味で手の抜きどころが分かってくるため、気を張らずに仕事をすることができます。
数物(多数ロット品)をとりかえている場合、時間が立つのが遅い・・・
私の勤務先は少量多品種の単品もの屋ですが、多ければ300個くらいまで数物を請けることもあります。
そんなときはひたすらボタン押しの単純作業なのですが、とにかく時間が経つのが遅い。
特にマシニングはサイクルタイムがNC旋盤より長くなりやすいため、作業の時間も長くなりがちです。
機械を動かしている間にバリ取りをするなど別の作業を同時並行できる場合はまだ良いですが、待ち時間が長い場合は特有の辛さがあります。
とはいえ、何も考えなくて良いのは良く言えば楽です。
私は今では機械を複数台使うようになったので単純作業もほぼなくなりましたが、たまにはこういう日がほしかったりします(笑
立ち仕事なので足が疲れる
これはNC旋盤のほうがより顕著です。
マシニングを使う場合は機械を動かす間椅子に腰掛けるタイミングもあるため、ずーっと立ちっぱなしでいる必要はありません。
とはいっても立っている時間は普通の仕事よりは長いと思いますので、辛い点の一つですね。
安全な仕事ではない
NC旋盤と同様に、マシニング作業にも当然危険が伴います。
工場ならではの辛いところですね。
指がなくなったり、死亡したりする話も聞きますので、本当に気をつけて作業する必要があります。
油や切り粉で汚れる
工場内での作業は油や切り粉が飛んでくるためそこそこ汚れます。
特にマシニングではリューターをよく使うため、切り粉がよく飛んできます。
メガネをかけて作業していても、細かい切り粉が目に入ってくることもあります。
鉄粉が目に刺さったまま放置すると大事になるらしいです。
切削油も、私の勤務先ではマシニングのほうがNC旋盤よりも粘度の高いものを使っているため服などが汚れやすいです。
さらに切り粉に関しても、エンドミルででる切り粉は旋盤の切り粉と違って尖っているため手に刺さりやすく、ストレスになります。
私の手にも、この文章を書いている今でも小さい切り粉が手に刺さりっぱなしになっています。
切り粉が手に刺さるのは、旋盤から入った私には結構つらいです^^;
私は油で汚れることに関しては気になりませんけどね。
このように、人によっては油や切り粉で汚れてしまうのはきつい点といえます。
仕事がきつすぎる場合は転職も視野に。
このように、マシニングセンタをはじめとして機械加工の仕事にはきつい点も多いです。
ですが、それを差し引いても大変やりがいがあり、金属を削って精度のよいモノを作るという少年心をくすぐられる大変おもしろい仕事です。
もしあなたが、働いていて楽しさを感じない仕事をしているのであれば、早めに転職をすることをおすすめします。
私はインフラ系大手総合職から零細町工場に転職しましたが、前職は全く合っていない仕事だったため、全く後悔はありません。
製造業では、→メイテックネクストが良い求人が多くおすすめですので、一度電話面談をして求人を見せてもらうことをおすすめします。
町工場で働く楽しさと厳しさ
本記事では、マシニングセンタの作業の辛さについて詳しく紹介しました。納期に追われるプレッシャーや、ミスが許されない緊張感、工程の多さによる疲労感など、多くの厳しい要素がありますが、その一方で、達成感や仕事へのやりがいも大きいです。
もし、今の仕事に楽しさや充実感を感じられないのであれば、自分に合った仕事に転職するのも一つの選択肢です。自分が本当にやりたいこと、情熱を持てる分野で働くことが、長く充実したキャリアを築くための重要なポイントかと思います。
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