その精度と剛性・サービスの良さに昔から定評があるオークマ。
制御装置も一般的なファナックではなく、OSPという独自のものです。
私の勤務先の切削機械5台も全てオークマ製です。
そんなオークマからJIMTOFオンラインで展示されている最新の機械を紹介します!
まずひとつ目は私も使っている勤務先で使っているNC旋盤であるLB3000EXⅡのビルトインロボットつきのバージョンです。
NC旋盤の機内にアームロイドが・・・!
こちらがビルトインロボットであるアームロイドのついたLB3000EXⅡ ARMROIDです。
通常のNC旋盤 LB3000EX2のドアにワークストッカが増設されたかたちをしていますね。
アームロイドは主軸の上側についているのが分かります。アームロイド自体は機内にすっぽり収まっていますね。
アームロイドでのワーク取り付けの様子
アームロイドの動きはこちらの動画をご覧ください。
機内の限られたスペースの中で上手にワークを運んでいます。
この機能を使って、これまでは人員が必要だった生産作業ですが、無人で機械を稼働させることができます。
後述しますが、このロボットのティーチングが簡単なのがかなり魅力的なんです・・・。
導入しやすさを徹底追及した扱い安さが特徴のロボット
今まで私が紹介してきたロボット、DMG森精機のものですとかマザックのものは、たしかにすごいですが、実際に導入するとなるとティーチングや工場規模・スペースの面で比較的敷居が高いものでした。(以前記事にしています。→下記リンク)
ですが、オークマのロボットはおそらく日本の現場に導入しやすいように考えて作られており、200個口など比較的少量の生産でもメリットが出そうだと感じました。
なぜそのように感じたか説明していきます。
ロボットを使わない加工との切り替えが簡単
こちらの動画をご覧ください。
単品ものの加工には邪魔なワークストッカーですが、このようにワンタッチで動かすことができるため、通常は単品もの加工に使い、数物が入ってきたときだけロボットを使って加工するといった運用も可能です。
ティーチングが簡単
こちらの動画をご覧ください。 書いてあるとおりのことですが音声で解説してありますので、音ありで見ていただいたほうが良いと思います。
このように始点と終点の二点のみをティーチングすれば干渉しない経路を自動生成してくれるため、簡単にティーチングが行えるようです。
もちろん爪の高さや工具の太さ・長さ、ワークの形状によって干渉しない経路は異なってきますので、それらを全て設定しないといけないとは思いますが・・・。
そのあたりも含めてどのくらい簡単にティーチングが行えるのか気になるところですね。
どちらにせよ、ロボットに関する専門知識がなくても設定は難しくなさそうです。
ロボットアームに様々な便利機能がついている!
アームロイドにはワークの取り付けや反転の他に、かなり便利な機能が様々ついています。
これらの機能は普段の加工でも役に立ちそうで、私も欲しくなってしまいました。
振れ止め機能
このアームロイド、なんと振れ止め機能まで備えているんです!
動画のように、ローラーでワークをサポートして、びびりを抑制してくれます。
さらにオークマのNC旋盤は加工ナビの機能の一つとして、T-gねじ切りという機能を備えています。
この機能は回転数をなるべく落とさずに自動で制御し、びびりを抑えてくれる機能なのですが、これを併用することで悪条件の台形ねじ切りなんかでもびびらせずに切ることができます。
機能的で嬉しい反面、こういういった先進技術でで職人の技がどんどん必要なくなっていくのは加工技術者としては少々寂しく感じるところでもあります。
クーラント噴射による切粉誘導
アームロイドの先端からクーラントを噴射することによって、切粉を吹き飛ばす機能を備えています。
通常タレットから噴射されるクーラントとは別の角度からクーラントをかけることができるため、通常ではクーラントが届きにくい加工や、切粉の流れをクーラント圧で誘導したい場合に効果を発揮します!
アームロイドによる機内洗浄
ロボットでの連続自動加工を行っていると、切粉の除去が行えないため、切粉が機内に堆積してしまって加工に影響が出てきてしまうことがあります。
それを防ぐためにアームロイドには機内洗浄機能がついています。
動画のようにクーラントを機内に噴射し、切粉を洗い流してくれます。
ロボットハンド自動交換機能
上で紹介したように、アームロイドにはワークの交換や反転、振れ止め、クーラント噴射など様々な機能があります。
なのでそれぞれの機能に適したロボットハンドに交換しなければならないのですが、動画にあるようにそれもATCのように自動で行ってくれます。
今まで見た中で一番現実的なロボット
私は勤務先で単品ものの旋盤加工を基本的に行っているため、これまでは様々なメーカーの自動化の紹介動画を見ても現実に導入するには魅力は感じていませんでした。(もちろん数物屋さんには大きなメリットがあると思います!)
ですが、このオークマのアームロイドは単品物加工と数物加工の切り替えが容易であり、さらに省スペースで導入できるという面で、単品もの屋にも導入のメリットがあるものだと初めて感じ、ほしいと思った製品です。
比較的小ロットの現場でも使いやすいように考えられている、いい製品だと感じました。
他にもマシニングや複合機のものも
各社自動化が展示のメインになってきており、時代の変化を感じるところですね。
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