NC旋盤の爪の取り付け方を詳しく解説!〜プロが教えるNC旋盤段取り〜

を使ったクランプは、旋盤において一番オーソドックスなクランプ方法です。

本記事ではNC旋盤の基本の一つ、爪の段取りについて解説します!

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爪の選定

まずは爪を選びます。

焼きの入った硬爪(こうづめ)と、S45Cを成形する生爪(なまづめ)がありますが、NC旋盤の三つ爪チャックでは生爪を使う場合の方が多いため、今回は生爪の選定方法を解説します。

新品のNC旋盤でない限り、前任者が作った生爪がいくつか準備されているはずです。

その中から適した爪を選ぶために、大切なポイントが3つあります。

  1.  生爪やワークキズをつけないこと
  2. 十分な深さをクランプできること
  3. 加工時に干渉しない箇所をクランプできること

以上の3点です。 

これらを判断するためには、まずは材料を確認することが必要です。

ワークに合わせた爪を選ぶ

 ピーリング材  黒皮

まず確認するのは、つかみたいワークにチャッキングの傷をつけても良いかどうか。

例えば黒皮材でしたら材料を傷つけるクランプ方法でも問題ありませんが、磨き材や仕上げ面などを考えなしに掴んでしまうと、傷がついて不良になってしまったということにもなりかねません

ワークの掴み面に傷がついても良い場合

まずワークの掴み面に傷がついても良い場合は、強い把握力でつかむことができる硬爪が役に立ちます。

硬爪は爪自体が傷つくこともないため、黒皮材をはじめとした生爪を傷めやすいワークを掴むのにも最適です。

とはいえ黒皮材でも生爪を使いたい場合も多くあります。

そういった場合は銅板やアルミ板をワークと生爪の間に噛ませて爪に傷がつかないようにします。

数ものの場合は毎回掴むたびに銅板やアルミ板を噛ませていられないため、材料径より小さい径に成形した生爪を使うこともあります。そうすれば爪の端2点しか材料にあたらず、爪に傷がつくのを最小限に抑えることができます。

また、爪を再成形する前提で、爪を傷める覚悟でつかむこともあります。

仕上げ面を掴む場合

引き抜き材や、仕上げたあとの面を掴む場合は、なるべくその径に合った生爪を使います

このとき硬爪やワークの径より小さい径の生爪を使ってしまうとワークに傷がついてしまうため避けるようにしましょう。

例えばφ30のワークをつかむ場合、φ30の生爪がベスト、φ35の生爪でも可、ですがφ29の生爪は不可、といった具合です。

取り付け前にしっかり掃除をする

爪の選定が終わったら爪を取り付けていきますが、その前に必ずセレーションの掃除をするようにします。

セレーションとは生爪についたギザギザのことです。

チャックについたセレーションと生爪についたセレーションが合わさって芯がでる仕組みになっているため、切粉などがセレーションについた状態で爪を取り付けてしまうと、芯が狂ってしまいます

また大きい切粉がはさまったまま締め付けてしまった場合、生爪のセレーションが変形してしまい、芯が狂って爪の再成形が必要になる事態にもなりえます。

エアー出力を最大出力にした上でセレーションにしっかりノズルを近づけ、チャックと爪の両方をきちんとエアブローで掃除してやってください。

爪を取り付ける

爪の取り付けの際は3点ポイントがあります。

1.爪の番号をあわせる

爪はチャックの番号と合わせた状態で成形しているため、番号が合っていないと芯がでません

必ず生爪に書かれた番号と、チャックに書かれた番号を合わせるようにしましょう。

2.爪の取り付け高さがばらつかないようにする

初心者のうちはありがちなミスですが、爪の取り付け高さがばらついた状態でワークを掴むと、3つの爪のうち2点だけに強い圧力がかかるため、爪とワークの両方がだめになってしまいます

爪の取り付け高さは、締め付け前に必ずノギスやスケールでばらつきが無いことを確認しましょう。

3.きちんとトルクがかかるところにセットする

爪は、ワークを掴めるぎりぎりの高さにセットしていると油圧通りの圧力でクランプすることができません。

NC旋盤の油圧チャックには、1番の番号がついた箇所に適正な締め具合を示すガイドがあります。二本線が二つはいっているガイドです。 チャックを閉めたときに、セレーション側の線が、二本線の間に入るように爪の高さを調節してから締めるようにします。

※画像・動画は北川鉄工所様より引用(https://prod.kiw.co.jp)

油圧を設定する

最後に油圧を設定します。

深さ8mmの爪を使って比較的安定したワークを掴む場合、以下を目安にして油圧を設定します

油圧1.9 銅板やアルミ板を噛ませている場合

油圧1.7 仕上げていない面を掴む場合

油圧1.3 仕上げている面を掴む場合

このように数値でご紹介はしましたが、油圧は爪の形状やワークの径、クランプ状態によって臨機応変に変えていくことが大切で、経験から学んでいく必要がある部分なので、上の目安を過信しないようにしましょう。

最後に

NC旋盤の爪の段取りは覚えることは多いですが、これさえマスターしてしまえば大抵のワークはクランプできるようになります。

油圧の強さを始めとしたチャック圧の調節は経験も大切になってくる部分ですので、基本をしっかりマスターした上で歪みやすいワークなどにも挑戦してみると良いですね。

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