フライス盤はエンドミルやドリル、フライスカッター等の回転工具を使ってワークを削る工作機械です。
フライス盤やマシニングセンタで行う切削加工は、樹脂成形やプレス等と比較してコストがかかる反面、精度と剛性の高さを追求できる優れた加工方法です。そんなフライス加工で作られるのは精度が必要な金属のパーツ、つまり機械部品がほとんどです。そして意外と身近なところに転がっているフライス加工品もあります。
本記事ではフライス盤で作れるものはどんなものか、加工例・製品例を挙げながら解説しました!
フライス盤で作れるもの
プレート
最も基本的な加工である穴あけだけの機械部品です。正確な位置決めのために、フライス盤やマシニングセンタで加工が行われます。
下記のようなキリ穴や長穴のみならず、タップやリーマ、φ100等の大きめの穴でも加工が可能です。
リーマのような精度穴でしたらさらに精密な位置決めが求められますが、フライス盤の精度があれば問題なく加工を行うことができます。
セットベース
モーターベースや治具の位置決め等に利用される機械部品です。
段付き部は、エンドミルやフライスカッターを使って加工します。
セットカラー
シャフトに取り付け、ベアリングやプーリーを固定するための部品です。
こういった、丸ものにもフライス盤は使われます。まずは旋盤で丸形状を作り、それを追加工する形でフライス盤やマシニングセンタを使います。
下記の例でも、旋盤でドーナツ型の形状を作り、それからフライス加工で平面削り、穴あけを行い、最後に2つに割って仕上げられます。
ストッパー、アタッチ等
シャフト等に部品を取り付けるための接続部品や、ガイドレール等に使用する、抜け止め用、位置決め用のストッパーです。
一筆書きできる形状やすり割りではワイヤーカットを活用したほうが良い場面もありますが、すり割り部もすり割りフライスを活用することでフライス盤で全て加工を行うことができます。精度が求められていなければ、コンタマシンで割ってしまうのも一つの手です。
金型
こちらは樹脂成形金型と言い、プラスチックを整形するための金型です。身の回りのプラスチック量産部品の多くはこういった金型を使って作られています。
複雑な形状ですので、加工現場ではマシニングセンタが使われますが、フライス盤でも加工することは不可能ではありません。
その他様々な機械部品が加工可能!
他にも大小様々な部品がフライス盤を使って加工可能です。
単品もの加工では、ワークによってびびりやクランプの難しさと直面することが多く、スムーズに加工を行うには熟練が必要です。
身近にあるフライス加工品
身近にあるフライス加工品のほとんどが量産品ですね。そのため基本的に加工はマシニングセンタで行われます。もちろんフライス盤で加工することも不可能ではありません。
マシニングセンタはフライス盤と比較してNC制御であり、工具交換が楽なだけで、やっていることは同じです。
iphone、Mac
iphoneやMacをはじめ、Apple製品の多くはフライス加工でボディを削り出しているという特徴があります。
削り出しで作ることで、高い剛性を維持しながら、高精度でばらつきのない品質を保っているんですね。
まとめ
本記事では、フライス盤で作れるものとして以下のものをご紹介しました!
- ベースプレート
- セットベース
- セットカラー
- ストッパー・アタッチ
- 金型
- iPhone、Mac
フライス盤は機械をつくる機械「マザーマシン」と呼ばれるだけあり、日常の様々なところに関わっています。
私もニンテンドースイッチの生産ラインの部品、有名お菓子メーカーの製造ラインの部品、おにぎりのラインの部品など、様々な機械部品を作ってきました。
身近なところにフライス盤で作れるモノが使われていることも多いですので、探してみると楽しいかもしれませんね。
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