私の勤務先は、2年前に新たに増えた数社の新規顧客によって仕事が少なくなったコロナ禍にもかなり経営を助けられています。
このことで営業の大切さを痛感しました。
本記事では会社を立ち上げてから8年、当初仕事の殆どを1社の顧客に頼っていた状況から、インターネット営業で顧客を400社まで増やした町工場、日本ツクリダスを紹介します!
(本記事の情報は記事執筆時点のものですので、正確な情報は日本ツクリダス公式HPをご覧ください)
日本ツクリダス㈱の規模
日本ツクリダスはスタッフ数20名(4月までに22名に)、うち製造スタッフ5名の町工場です。
町工場なのに男女比が5:5で、全スタッフのうち半数以上がアルバイトもしくはパートという大変珍しい特徴があります。
設備紹介
機械設備はこちらの表のものに加えて汎用旋盤1台、NCフライスが1台、汎用フライスがもう1台あるとのことです。
小規模の町工場だということが分かりますが、協力会社と連携することで400社との取引を実現しているとのことです。
日本ツクリダス㈱の事業内容
日本ツクリダス㈱の特別なところは、町工場なのに製造以外にも事業も行っていることです。
生産管理システムM:netの開発・販売
なんと町工場なのにM:net(エムネット)という生産管理システムを開発しています。
自社が生産管理のシステム化をすすめる中で積み上げてきたノウハウをパッケージ化した、町工場に特化した管理システムです。
M:netについてはこちらの記事で詳しく書いています。
製造業向けホームページ制作・プロデュース
顧客をほぼ一社から400社まで増やしたインターネット営業のノウハウを活かしてホームページ制作も行っています。
実際にネット集客に成功した町工場のホームページ制作ですので、ネット集客を考えている町工場にとってはこれ以上ないありがたいサービスですね。
機械部品販売商社
協力会社との連携力を活かして、金属加工の商社としての事業も行っています。
自社のみで完結しない金属加工、例えば表面処理や焼入れ研磨、製缶なども幅広く対応しています。
自社製品の開発・販売も
町工場でありながら、自社製品の開発・販売も行っています。
ironidea(イロニデア)というブランド名で、フラワーベースやクロックキャンバスなどとてもおしゃれな製品を作っています。
ironideaについてはこちらの記事でも紹介しています。
日本ツクリダスのインターネット集客方法は?
弊社は創業時の8年前から金属加工のお仕事はインサイドセールスです。
— 角野嘉一 @後を継いでないアトツギ & 町工場のIT化相談役 (@ka1kadono) December 15, 2020
ネット集客→電話対応→受注→製造→発送
逆にソフトウェアのお仕事はフィールドセールスです。
システムとかよく分からん!!というお客様に会いに行くことはとても大切だと思っています。
世の中のトレンドとは逆行します😌
さて、ここからが本題です。こちらは日本ツクリダス社長のtwitter。
なんと驚いたことに、創業当初から製造の仕事はインサイドセールス、つまりネット集客で行っているとのことです。
そんな経営を可能にしたほどの金属加工集客ページがこちらです。
読んでみると、通常の町工場のホームページにはない、様々なポイントがあることが分かります。
日本ツクリダスの集客ページが優れているところ
日本ツクリダスの金属加工集客ページには、他の町工場のHPと比べて優れている点がいくつも見つかります。
できる加工・得意な加工が明確で分かりやすい
旋盤・フライス加工の他、製缶、熱処理、研磨、表面処理、鍛造金型製作など、できる加工が明確にわかりやすく書いてあります。
そして、よくある質問ページでさらに細かい内容を書くことで、「コレはできるかわからないから別のところに頼もう」といった顧客の取りこぼしをなくせる作りになっています。
さらに「どのような表面処理ができるか」というような細かいこともよくある質問にまとめてあり、見る人の疑問を払拭する努力がされているように感じます。
その中で得意なことを明確にしている
また多くの受注可能な加工の中で、小ロット生産・短納期品・旋盤荒加工という得意な部分を明確に打ち出してあります。
会社の”得意”がはっきりしていることで、見る側の人は、特にどんな加工を安く高品質にやってもらえそうかが分かりやすいです。
強みを明確に打ち出している
強み、つまり自社だからこそできることが明確に打ち出してあります。
具体的には焼入れ後の旋盤仕上げと旋盤荒加工材の注文が可能というところです。
他社にない強みがわかりやすく書いてあるので、このような加工を必要としているお客さんに見てもらいやすくなります。
インターネット営業が成功している一つのポイントですね。
注文方法が分かりやすい
町工場のHPで、注文方法がこのように分かりやすく載っているページがどれほどあるでしょうか。
通常の販促ページだと当然のことですが、町工場のHPであればなかなかありません。
これなら「注文方法がわかりにくいから別の会社にしよう」と、顧客を逃してしまうことがありませんね。
検索エンジン(Google)で上位表示される
私もブログを書いているので分かるのですが、Googleで上位表示をさせるというのは思いの外難しいです。
とくにビジネスに直結する購買キーワードでの上位表示ならなおさら。
通常であれば、小規模の町工場は多くのキーワードで大きい会社に劣ってしまいます。
ですが、日本ツクリダスでは
- 「大阪 旋盤 フライス 小ロット」で2位
- 「大阪 旋盤 フライス 特急」で1位
- 「大阪 旋盤 荒加工」で2位
と、多くの購買キーワードで上位表示を獲得しています。
上位表示されることで人目につきやすくなっているのも成功のポイントだと思います。
さらに、日本ツクリダスは上位に表示される他のどのページよりも注文しやすいページデザインになっているのもポイントですね。
上位表示は検索した人の役に立っている証拠
Googleのアルゴリズムは年々進化しており、現在は小手先のSEO対策(上位表示対策)を施しても役に立つページでないと上位表示はできなくなっています。
現在検索エンジンから評価されるということは、人の役にたっているページである証拠です。
この検索順位からも、日本ツクリダスが顧客の希望を高い水準で叶えていることを窺うことができます。
最新の工場稼働状況が載っている
なんと注文ページに最新の工場の稼働状況が載っています。
これによって、お客さんが短納期の注文をする場合の心理的ハードルを大きく下げるとともに、無理な注文は入らないようになり、発注する側、受注する側ともに効率化ができる仕組みになっています。
IT業も行っている日本ツクリダスらしい配慮ですね。
お客さん目線のHP・中の人が見えるHP
ポイントはたくさんありますが、大きく分けて2つの考え方が必要です。
— 角野嘉一 @後を継いでないアトツギ & 町工場のIT化相談役 (@ka1kadono) December 16, 2020
・お客様目線になった時に何を頼みたいか。
小ロット、短納期対応、高難易度対応など頼みたくなる特徴をきちんと訴求する
・ホームページが生きているか(問い合わせやすいか)
シンプルに言うと、中の雰囲気や人が見える
こちらは日本ツクリダス社長のtwitter。ネット集客を成功させるためのポイントが惜しみなく書き込まれたツイートです。
改めて集客ページを見てみるとお客さん目線になったときに、頼めることが幅広く、明確になっていることが分かります。
表面的に分かるところは上で書きましたが、それ以外にもホームページのブログなどから会社の中の雰囲気や人が見えることが親しみやすさ、そして注文する際の安心感につながるのだと思います。
町工場とWeb集客の今後
この集客ページをみたときに、そう遠くない未来に町工場も自社の集客ページを持つことが当たり前の時代がくると本気で感じさせられました。
Googleをはじめとする検索エンジンのWebページに対する評価は早いもの勝ちという側面もあるので、日本ツクリダスのように早くWeb集客を始めることには大きいメリットがあります。
今はまだ町工場の営業は対面でのつきあいが主流ですが、今後は町工場のWeb営業競争が激化していくかもしれませんね。
同じ町工場として、私も日本ツクリダスからとても良い刺激を受けました。
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