旋盤・フライスで作られた町工場の自社製品たち

町工場の仕事は、基本的には企業の下請け。所謂BtoBです。

ですが中にはその加工技術を活かし、BtoCの自社製品に挑戦した町工場もあります。

今回は、切削加工で作られた町工場のアイデア商品たちをご紹介します。

Laurett’s:㈱丸安精機製作所

Laurett’s MLK703

㈱丸安精機製作所は長野県の町工場です。

外観部品を得意とする会社で、その自信は自らの技術を「超美麗切削加工」と称するほどです。

会社のHPを見ても、とても美しくローレットがかかっており、簡単には真似できない美しさだと思います。

是非画像をクリックして拡大して見てほしいのですが、特にあのまっすぐな美しい平目ローレットは旋盤工の私から見ても本当にすごいと思います。

その技術を活かした自社ブランドがLaurett’sです。

ローレットからきたブランド名で、ボールペンや万年毛筆を作っているとのこと。

キャップ、ボディだけでなくペントップやインナーパーツまで全てを完全削り出しで自社製作しているそうで、町工場ならではの製品ですね。

「第27回日本文具大賞2018 優秀賞」や、ドイツで行われた「iF DESIGN AWARD 2020」を受賞しており、そのデザイン性が認められています。

ボールペンの価格は29700円。これならそこまで高くないと思ってしまうので不思議なものです。 

TIE-M GLASS:中川鉄鋼㈱

大阪にある社員数15名の切削加工会社の商品です。

大阪工業大学の学生さんとのコラボで出来上がったものだそう。

私達切削加工職人が得意とする、高精度の嵌め合いを生かしたアイデア商品ですね。

材質はSUS304とのことです。

そしてその価格は1セット10万円。 かなりの高級グラスですね!

受注生産方式で、注文があってから作るようです。

チャックリフター:伊藤工作所

こちらは長崎県の町工場。 従業員数は書いてありませんが、保有する機械を見ると、少人数で運営されている町工場かと思われます。

製品は旋盤のチャックの換装に使う治具、チャックリフターです。

画像のようにチャックをホイストで簡単に吊ることができる治具です。

旋盤のチャックの換装、普通に手で持ってやろうとすると重いので慣れないと本当に大変です。

その作業を楽にできるということで、便利なアイデア商品だと思います。

アイボルトを取り付けられるチャックもありますので、そういったチャックはホイストで吊れますが、取り付けられないものは手で持ち上げるのが基本になります。

そういった場面で活躍しそうです。

価格は7万8000円

交換後のチャックはサイズが違うことも多いため、本格的に使うとなると2つのサイズを揃えないといけないことを考えるとなかなかの金額ですね(笑

ironidea:日本ツクリダス㈱

最後に日本ツクリダス㈱のironidea(イロニデア)を紹介します。(https://ironidea.com)

日本ツクリダスさんは大阪の町工場なのですが、通常の加工業務だけでなく、このironideaのようなオリジナルプロダクトや、M:netという工程・図面の管理ソフトまで手掛けている会社です。

当ブログを応援してくださっているスポンサーでもあります。M:netの紹介も下でしていますので是非見てみてください。

そしてironideaの画像を見るとわかるように、おしゃれさがすごいです。

精度を活かした製品というよりは、金属加工技術によって金属の美しさを引き出した芸術的な製品がメインとなっています。

町工場とは思えないセンスの良さに脱帽です。

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