シチズンのNC旋盤がATCつきB軸ツーリング搭載で面白い!【動画あり】【JIMTOF2020⑱】

本日紹介するのはシチズンの看板モデルの一つ、バーワーク用の主軸台移動形CNC旋盤”Cincom”のL20。ATCがついたB軸つきツーリングを搭載したモデルです。

紹介動画をJIMTOFオンラインで見たのですが、その動きと加工が通常のチャックワークマシンでは不可能な、複合機で加工するような面白い内容だったので記事にしました!

ちなみにL32の方は摩擦接合機能が面白く、以前記事にしましたのでこちらもあわせてご覧ください!

Cincom L20の加工動画

こちらがその加工動画。見やすいように1.25倍速再生にしています。

NC旋盤なのにATCがついていることも驚きですし、何よりB軸を活用して複合機のような偏心・偏軸加工を行っているのがすごいです。

シンコムはバーワーク専用の主軸台移動形NC旋盤

主軸台移動形NC旋盤とは?

シンコムは主軸台移動形旋盤(シチズンHPより)

棒材用のNC旋盤自体、見たことない方もいらっしゃると思うので軽く解説しておきますね。

一般的なNC旋盤は主軸台固定型で、Z方向に動くのは刃物台ですよね。

対してシンコムは主軸台移動形。通常のNC旋盤と違って、Z軸を移動させる際にはチャックのほうが動きます

棒材の加工に特化したNC旋盤

主軸台移動形のNC旋盤は、棒材を加工するのに特化しています。

通常のNC旋盤と違い、棒材から無人で材料がなくなるまで製品を生産し続けることができるメリットがあります。

そのかわり汎用性は低い

通常のチャックワークマシンは、長いものから短いものまで、材料径も大きいものから小さいものまでつかめます。

ですが、シンコムのようなバーワークマシンは基本的につかみしろのある比較的長い棒材しか掴むことができません

材料径もこの機会(L20)であれば最大φ25までと、限られたものになってしまいます。

それだけバーワークに特化した機械ということですね。

B軸付き刃物台がすごい!

こちらの画像がB軸付き刃物台です。

B軸は刃物台本体の回転軸

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すこし複雑になってしまいますが、機械の可動軸を示した画像です。

B軸は刃物台本体の回転軸で、これによって複合機のような加工ができるようになります。

ちなみに可動範囲は90°〜−45°の135°です。

回転工具を4本セット可能

ミーリング機能がついており、回転工具を4本取り付けることができます

ATC搭載。マガジンに工具12本収納可能

さらに、ATCを搭載しています

工具マガジンには12本の工具を収納可能です。

NC旋盤なのにATCがついてるってすごいですね。

主軸機能も充実している

驚きの新技術!というほどではありませんが、主軸機能も高性能で多機能なので軽く紹介しておきますね。

ガイドブッシュ式とガイドブッシュレスを簡単に切替可能

画像のように、本機の主軸はガイドブッシュ式からガイドブッシュレス式に簡単に切り替えることができます

比較的短い棒材を使う場合など、すぐに切り替えられるのは便利ですね。

主軸回転数は最大10000rpm

小物加工に特化した旋盤なだけあって、10000rpmまで回せます

これだけ回せれば、径が小さくても十分な周速で加工できそうですね。

主軸割り出しが速い!

ダイレクト割り出し機能

ダイレクト割り出しと名前がついていますが、動画のように主軸を止めずにそのまま割り出してしまう技術です。

ほんのわずかなサイクルタイム短縮ですが、このこだわりようからシチズンのサイクルタイム短縮にかける熱量が推し量れます。

切粉を切断できる低周波振動切削(LFV)機能も搭載!

切粉を切るLFVという機能も搭載しています。

この機能がかなり面白く、先日記事にしましたのでぜひそちらもご覧ください!

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