ねじ切りダイヤルを使ってネジを切るメリットは?
ねじ切り動作は、何回か繰り返して削っていくものなのですが、複数回行う際に、ねじ切り位置を同調させなければなりません。
その同調させる方法は2種類あります。
逆転を使う方法
1つ目は、自動送りを入れっぱなしで、正転させてネジを切り、逆転させてもとの位置までバイトを戻し、同調を切らない方法。
職業訓練で行うのもこちらの方法です。
送りを切らずにブレーキでねじ切りを止めなければならないため、比較的動作が難しいです。
ねじ切りダイヤルを使う方法
2つ目は、正転させてねじを切った後、自動送りを切り(この時点でピッチにもよりますが同調が切れます)、縦送りの大きいハンドルを使ってバイトを元の位置まで戻し、ねじ切りダイヤルを使って同調する位置で再び自動送りを入れる方法です。
ねじ切りを止めるために自動送りを切ればよいため、ブレーキを使うよりはねじ切りは簡単ですが、すべてのピッチに対応できるわけではありません。
以上2つの方法のうち、今回はねじ切りダイヤルを使った方法を解説します。
ねじ切りダイヤルを使ってねじを切る方法
ねじ切りダイヤルを親ねじに当てる
まず、ねじ切りダイヤルを旋盤の親ネジにあてる作業が必要です。
ねじ切りダイヤルはこのようになっていますが、普段はウォーム歯車が親ネジに噛み合っていない状態のはずです。その理由は、ウォーム歯車は親ネジを傷つけないために真鍮でできており、すぐに磨り減ってしまうためです。
なので六角レンチ等で固定ボルトをゆるめ、ねじ切りダイヤル本体を動かし、ウォーム歯車を親ネジにあててやりましょう。
こうすることで、親ネジの回転に対応してダイヤルが回転するようになります。
ダイヤルのどのポイントで送りを入れればよいか確認する
先程設定したダイヤルの一定のところで送りを入れると、ねじ切り位置を同調させることができます。
そのために、ダイヤルのどの点で送りを入れればよいか確認しましょう。
あなたの旋盤にも、下のようなプレートがついているはずです。
うちの旋盤にも、ねじ切りダイヤル本体の側面についています。
この表の見方を説明します。
まずはGEARの欄。どういう意味かというと、ウォーム歯車の歯数を示しています。28Tであれば、刃が28個あるウォーム歯車のことを指します。
次にSCALEの欄。ねじ切りダイヤルの、どの点で送りを入れればねじが同調するかを示しています。anywhereはどこでも良いという意味です。
最後にピッチ。この欄にかいてあるピッチで、ネジを同調させることができるという意味です。
つまり、例えばピッチ2.5のねじを切りたい場合、ウォーム歯車を歯数20のものに交換した上で、はじめに送りを入れた箇所からダイヤル90°ずつの4箇所のうちのいずれかの点で送りを入れればねじが同調します。
ウォーム歯車を交換し、ねじを切る
確認が終わったら、ウォーム歯車を交換し、ねじを切って完了です。
上の表は、旋盤によって異なるため、自分の旋盤のプレートを確認するようにしてくださいね。
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