【NC旋盤】リール型の製品の加工方法を解説!

画像は小学校なんかによく置いてある木製ドラムです。

こんな形の金属製品を作る際、掴むところがなくて困りますよね。

図面に書くとこんなかんじの製品です。

リール型図面
薄すぎてつかめない・・・

今回はこの形の製品を作る方法を解説します。

NC旋盤でキー溝加工
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2mm幅の部分を油圧チャックで掴んでしまうとこうなる!

こういった製品を作る際、1工程目は良いですよね。

外径・端面を加工し、溝を入れるだけです。

ただ問題は反対面の2工程目

2工程目で端面を落とそうとしたとき・・・

2mm幅の部分を油圧チャックでつかむとワークが潰れてオシャカになります。

爪でつかんだ3点がX方向に引っ込んでつぶれるだけでなく、Z方向にも前後に盛り上がってしまいます。

さらに爪も奥の部分が変形してしまい、芯がでなくなる原因になります。

半割りの治具をつかってつかむ

2工程目は端面を引くだけなのですが、薄すぎて普通に掴むのは不安です。

そんなときは、半割りの治具を使います。 下の図面に書いたような治具です。

リール型治具
半割りの治具。これをかませればしっかり掴める

治具の作り方は簡単。 図面のようなリングを作り、コンタマシンなどで2つに割ってやるだけです。

できたらその治具でワークをはさみこみ、つかんでやります。

そうすれば溝の底の部分をがっちり掴むことができますね。

その状態で端面を削って仕上げてやればOKです。

径がぴったりの生爪で油圧を下げてつかみ、低切り込みで削る

普通につかむと当然ですが潰れてしまいます。

そこで径がピッタリの生爪を使い、最小の油圧で掴みます

そして、切り込み量を0.1mmなどかなり少なくして少しずつ端面を落としていきます。

数があると現実的でない方法ですが、1つや2つであれば、わざわざ治具を作る必要がないので楽な方法です。

回転数やバイトなどにも気をつけて、ワークが飛んでしまわないよう気をつけて削りましょう。

あとは面盤を使う方法なんかもありますが、上記2つの方法の方が楽なので、今回はこれらの紹介にとどめておこうとおもいます!

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運営者プロフィール
TAKプロフィール空

 TAK(たっく) キカイネット代表。広島県出身愛知県在住の30代。地方国立大学を卒業後、新卒でインフラ系大手有名企業に就職。その後国家公務員総合職試験に合格するも辞退し、転職活動を経て総勢7人の零細町工場に転職。約10年間NC・汎用旋盤、マシニングセンタオペレータの仕事に携わる。身につけた加工技術を活かし、2020年より副業で技術情報を発信したサイト運営を開始。デザイナーである妻(小日向まどか)、その他スタッフとともに運営し「キカイネット」として月間PV数7万を超えるサイトに成長。フォロワー5400人以上を抱えるTwitter「旋盤工のTAK」も運営。技術継承問題やIT・WEB導入の遅れ、低い人材流動性等、問題の多い製造業を少しでも良くできるサイトを目指して鋭意運営中。

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