金属加工の仕事中、集中できないときの対処法【現役旋盤工が教える】

前回書いた焦ってしまったときの対処法に続き、集中できないときの対処法を書きました!

前回の記事はこちら

仕事中にこんな経験、ありませんか?

加工の仕事をしていると、こんな状況に陥ることがあるはずです。

  • 過去の失敗を思い出して仕事に集中できない
  • 日常生活の悩みを考えてしまって仕事に集中できない
  • なんとなく仕事をしていると予定より遅れてしまった
  • ミスを恐れてビクビクしながら仕事をしているため仕事が遅い
  • ミスの後精神が不安定になってさらにミスを重ねてしまう

特に金属加工の仕事は一つのミスが命取りになり、丸一日かけて丹精込めて作ってきた製品が最終工程のイージーミスでオシャカになってしまうなんてことは珍しいことではありません。

そのような大きいミスを避けるために、気持ちの上で仕事に集中するのはとても大事なことです。

ですが、人とやりとりしながらではなく一人金属と向き合って仕事を進めていく仕事の性質上、常に集中力を高めて仕事をするには工夫が必要です。

私は人より精神を乱しやすいタイプだということを自覚しており、失敗も多く経験してきました

その中で、私なりに精神を落ち着かせ、集中できる方法を考えて実践してきたことで今では集中力不足によるミスも大きく減りました。

今日はその方法をお伝えします。

なんとなくぼーっとしてしまい仕事に時間がかかってしまった

「ぼーーーーーっ」

「えーーーーっと・・・・次は何やろうかなー・・・なんだったっけなー」

このように仕事中に何も考えずにぼーっとしてしまう時間で仕事の能率が下がってしまう場合、予定の立て方が甘すぎること、そして時間を細分化して仕事をしていないことが原因として考えられます。

予定に余裕を見すぎると逆に仕事能率が下がる

甘い予定を立て、「ゆっくりやっても間に合うからなー」と手を動かしていると、どうしても効率は落ちてしまいます。

間に合うか間に合わないかギリギリの、丁度よい時間を見積もることで、良い意味で常に頭を働かせ、効率良く手を動かすことができます!

一つの予定を作業ごとに5分単位で区切って仕事をする

例えば1枚の図面を1時間で加工するとします。

1時間の中でできればいいとなんとなく仕事をするより、その1時間をさらに細かく区切って小目標を立てながら仕事をすることで、さらに気を抜かずに仕事をすることができます。

例えば1工程目の爪・工具・原点の段取りに10分、プログラム作成に5分、加工に10分、2工程目も同様に段取り10分、プログラム5分、加工10分、合計で50分でやろうという具合です。

こうして5分単位の小目標をたて、それを一つずつ達成していくことで、集中力が安定します!

ミスが怖くて臆病になり、仕事が遅くなる

昨日別の製品でミスって怒られたな。今日も新しい仕事やるけどミスりそう。ミスがないように念の為もう一度確認しとかないと・・・。ゆっくり作業しないとまた間違えるかも・・・ビクビク・・・

こういった精神状態になるのは、初心者の頃にありがちです。

こうなる理由は簡単。結果が出せている自信がないからです。

ではどうやったら自信を得られるようになるのでしょうか。

経験を積んで結果を出せるようになるしかない

自信を得るためには小手先のノウハウを使ってもそれほど役には立ちません。

解決する方法は、実際に結果を出すこと。正確に早く仕事をこなしていくんです。

「それかできないから困ってるんだよ!」という声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。

加工の仕事は経験を積めばほぼ必ず結果を出せるようになります

加工の仕事は経験に応じて必ず上手くなる

基本的に加工の仕事は習うより慣れろです。

逆にいくら習っても、慣れない限りは仕事はできるようになりません。

もちろんミスを防ぐために加工前に先輩にチェックしてもらったり、教えてもらって知識を蓄えていくことも大切です。

確認したらしたで怒られる、勝手にやっても怒られる。そんなこともあると思います。

しかし加工の仕事のいいところは、やればやるほど必ずうまくなること

めげずに経験を積み続ければ、必ず結果にあらわれます。

いつかできるようになるので、ひたすら”できる”をめざして頑張りましょう。

ミスした後の動揺を抑える方法

そこそこ大きいミスをした後は、平常心ではいられませんよね

「なぜこんなことしてしまったんだ、迷惑かけすぎた、恥ずかしい、もうやめたい、取り返さないと・・・」

私も経験がありますが、こんな気持ちばかりがループしてしまい、全く仕事に集中できません。

そんなときは、業務中の時間を使ってでも気持ちを切り替えて平常心で仕事をしていかなければなりません

5分間、何もしない時間を作る

 大きなミスをした後は、切り替えると言っても、動揺してしまって仕事をする気分になれないと思います。

とはいえ就業時間中は仕事を続けなければなりません。

そんなときは、トイレにこもり、目を閉じて何も考えない時間を5分間作りましょう。

この五分間の時間的な区切りをつけることで気持ち的にも区切りが付き、多少は動揺を抑えて仕事を再開することができます。

仕事中に仕事以外の不安に苛まれて集中できない

「今週末友達の結婚式の友人代表スピーチ任されてるけどうまくできるか不安すぎる・・・」

「昨日の夜から奥さんかなり不機嫌なんだよな・・・帰ってからどうやって機嫌取るかな・・・」

「高校生のときのあの恥ずかしい思い出・・・・うわああああああああああああああああ」

こんなことを考えてしまい仕事に集中できないこともあると思います。そんなときにまず試してほしいのは、先程紹介した5分単位で小目標を立てる方法です。

ですがそれでもまだ考えてしまい、悩んでいる場合もあると思います。

日常生活の不安はそのままに、とにかく手を動かす

仕事中に襲ってくる不安、しかしそれは仕事中に解決できることではありません。

不安とは忘れようとしても忘れられないものです。

なので、不安はそのままに、とにかく手を動かしましょう

これは精神療法の森田療法の本を読んで身につけた方法で、私自身が実践することで、この方法が一番実用的で効果があると感じています。

不安がある中でさらに仕事もできなければ、その日は悪い日になりますが、仕事さえ出来ていれば、やることをやっている良い日になります。

不安はあるかもしれませんが、とにかく目の前の仕事のために全力で手を動かす。

これが一番精神衛生上も良い方法だと思います。

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