機械技術8月号からドイツの面白いNC旋盤を紹介します!
何のためのNC旋盤?
現在自動車業界の先行きが不透明で、自動車部品の量産を手掛ける会社は今までの部品を大量生産するやり方からの脱却を迫られています。
これまで旋盤加工の大量生産は同時に多数のワークを加工できる多軸の自動盤が主流でしたが、これまでより数の少ない多品種の中ロット品を生産するために単軸の旋盤の価値が多数個生産の業界でも見直されつつあるようです。
ただ単軸のタレット式NC旋盤は多軸自動盤よりサイクルタイムが長いという問題があります。
そこで多軸自動盤を作っているドイツのSCHUETTE(シュッテ)社は、単軸でありながら極限までサイクルタイムを短くできるNC旋盤を開発しました。
それが本記事で紹介するNC旋盤、ECXシリーズです。
加工の様子
こちらは輸入機械を扱っている㈱ゴーショーのYouTube動画です。
NC旋盤とはいっても、私たちが想像するような通常のNC旋盤とは全く違うものということが分かりますね。
その違いのポイントは刃物台にあります。
タレットが4つ!?
通常のNC旋盤との一番大きな違いはタレットが4つついていること。 一つのタレットは3方向にツールを展開しています。
4つのタレットがあるため4本のツールで同時に一つのワークを加工できるんです。
例えば上の記事で紹介したような重畳加工を使っても、2軸で3タレット同時加工相当のサイクルタイムが限界ですので、4タレットで同時に加工すればさらにサイクルタイムを縮められます!(重畳加工の記事もかなり面白いためぜひご覧ください!)
工具交換時間がゼロ
刃物台が複数あるため、工具交換のために移動→タレット回転というタイムロスが起こりません。工具交換時間ゼロ秒です。
そのためかなりのサイクルタイム短縮になります。
カウンタースピンドルを含めると6ツール同時加工が可能
メインスピンドルで加工し、突っ切ったワークは対面のカウンタースピンドルに受け渡し、加工することができます。
画像のようにカウンタースピンドルにも2台のタレットを取り付けることができ、2ツールで同時に加工することができます。
メインスピンドルと合わせると6ツール同時に加工できるということですね。
海外の機械は面白い
いかがでしたでしょうか?
今回紹介したシュッテ社のECXシリーズ、日本ではありえない発想の刃物台構成で機械好きにはたまらないですよね。
機械技術8月号は海外の機械や工具、治具をまとめており、とても面白くおすすめです!
画像はシュッテ社カタログより引用http://my.page2flip.de/15433595/20209423/20209424/html5.html#/4
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