旋盤やマシニングを使うときに、図面に示された情報を使って座標や角度を計算しなければならないときってありますよね。
そんなとき、CADばかりに頼っていませんか?
簡単な計算なら、うまくスマホを使ってCADを使うより速く答えを出せます。
意外と忘れている方も多いと思うので、この記事で機械加工に使う簡単な数学をおさらいしましょう!
この図面、どう計算する?
たとえば画像のような9tの6F材からフルバックで点線部分を削り取りたいとします。
すると傾ける角度θと削る深さxが必要になりますよね。
これを試しに計算してみましょう!
まずは三角比の説明
まずはどのくらい傾ければいいのか、角度θを求めたいです。
そこで使うのが三角比! sin・cos・tanです。
ここは覚えてるって方は次の章まで読み飛ばしてください!
sin・cos・tanってなんだっけ?
一応覚え方を載せておきます。
「完全に忘れとる!」という方はこれを見て思い出してください!
実際に数字を入れるとこんなかんじ
例題です。こちらの画像は有名な1:2:√3の三角形。
これを例にすると
sinθ=1/2
cosθ=√3/2
tanθ=1/√3
となります!
アークタンジェントを使った角度の求め方
アークタンジェントは、角度を求めるのによく使います!
こちらがアークタンジェントの式です。
先程の1:2:√3の三角形にあてはめると・・・
画像のように、θ=arctan1/√3となります。
これを計算したいのですが、arctan1/√3の計算で関数電卓が必要になります。
ここでiphoneが活躍します!
iphoneの純正電卓が関数電卓になるって知ってた?
ですがiphoneをお持ちの方、純正の電卓アプリに関数電卓機能がついているのを知っていましたか?
試しにiphoneでarctan1/√3を計算してみましょう。
普通はこの画面ですが、横にすると・・・
関数電卓に!
まずは1÷√3を計算します。 √の計算ももちろん可能です。
すると上の画像の結果に
その値を使ってアークタンジェントを計算。
2ndを押すとtanのところがtan^-1になるので、それを使うと計算できます。
結果は30。
θ=30°となり、間違いなく計算できました!
実際に計算してみよう
さて、冒頭で示したこちらの画像。
まずは角度θを計算
まずは角度θを計算します!
見やすくするため、まずは画像のように点線部分の三角形を別図として抜き出しましょう。
するとこのような三角形に。
ここで先程復習したtanを使います。
画像の通り、tanθ=15/45
そして、アークタンジェントを使ってθを計算します。
θ=arctan15/45
最後はiphoneを横向きにして・・・
arctan15/45=18.435・・・
18.435°と無事に計算することができました!
次に切込み深さxを計算
さて、先程計算した角度θ、18.435°の値を使って次はxを計算していきます!
先程の三角形に、切込み深さxと角度θの値18.435°を書き込むと上図の通りになります!
ここで、逆向きなので少し見にくいですが、18.435°のsinがわかりますね。
sin18.435=x/45
関数電卓(iphone)を使って計算すると、
sin18.435=0.316になります!
なので方程式を解いて、x=14.234と計算できます。
これで計算完了!
ワークは18.435°傾けて、14.234切り込めば良いことがわかりました!
覚えておくと便利
パソコンが手元になくても、手持ちのスマホだけで座標の計算ができると役に立つ機会は多いです。
ぜひ身に付けて、作業スピードアップに役立ててください!
計算ミスにはお気をつけて・・・!
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