巷では旋盤工やフライス工を底辺の仕事という人もいるようです。(本記事では私目線で、機械加工職人を旋盤工でまとめさせてくださいm(_ _)m)
まあこの仕事を続けているので当然ですが、私は旋盤工は底辺じゃないと思っています。
といっても底辺という意見を聞きもせずにバッサリ切り捨てるというのも良くないので、少し考えてみます。
なんで旋盤工を底辺だと考える人がいるの?
底辺といわれるにはその理由があります。一つずつ見ていきましょう
学歴が低いと思われがち
旋盤工を始めとする工場勤務の仕事は学歴が高い人が比較的少ないため学歴底辺の人たちがする仕事、という意味で底辺と言われるようです。
底辺Fラン大学というような言い方と同じくくりですね。
人間性に難ありな人が多いようなイメージもあるようです。
3Kのブルーカラーだから
ブルーカラーの中でも旋盤工は確かに見る人によっては3K(きつい・きたない・危険)に当てはまると思います。
そんな職場環境だから底辺だということですね。
給料が少ない
ホワイトカラー総合職だと年収は800万1000万と上がっていくことも珍しくはないでしょうが、旋盤工だと500~600万くらいで頭打ちな場合が多いと思います。もちろん中にはもっと行く場合もありますので一概にはいえないことです。
3Kな上に給料も少ないので底辺という意見が出てくるというわけですね。
誰でもできる単純作業
旋盤工のイメージと言うより、工場勤務のイメージですね。
だれでもできる単純作業だから底辺ということです。
旋盤工は単純作業には全く当てはまらないのですが、そのようなイメージを持つ人もいるようです。
これらの意見に対する旋盤工の私の反論
もちろん人によっては底辺ととらえるでしょう。しかし、捉え方は人それぞれで、もちろん私は底辺とは思っていません。
その理由を書いていきます。
反論:学歴が低いと思われがち
確かに学歴が低い人も多いです。しかし私は生物系ですが国立大学を出ていますし、国家公務員総合職試験もパスしています。
Twitterで見ていても高学歴な方はいらっしゃいますし、必ずしも勉強ができない人が集まっているともいえません。
人間性に関しても、オラオラ系の人が多いかというとそうではなく、私の職場の人たちは従業員も役員も皆優しく、いい人ばかりです。
反論:3Kのブルーカラー
たしかにホワイトカラーの人達からすれば、町工場のしごとは3K(きつい・きたない・危険)かもしれません。
立ちっぱなしの時間も長いし、油まみれになるし、大怪我になるような事故も絶対に起こらないとは言い切れません。
しかし大企業総合職のホワイトカラーを経験した私に言わせれば、総合職ホワイトカラーは100K(きついきつきついきついきついきつい・・・・)です。
仕事はには向き不向きがあります。私のようにブルーカラーの方がやりがいがあって楽しいと感じている人も多いと思うので、底辺だという人は、ホワイトカラーに向いている人の価値観を押し付けているだけだと思います。
反論:給料が少ない
確かに旋盤工は時間単価で仕事を請けているため、人を動かす仕事と違って一人が生み出せる利益に限界があります。
人を動かす仕事はその限界がないので、職種によっては800万1000万と年収を上げることも可能です。
だからといって旋盤工も生活が苦しくなるほどのことはありません。
現在私の年収は残業なしで420万くらいで、贅沢はできないながらも十分生活できています。
ストレスをためながら社会生活を送るより、自分の得意なこと、好きなことを続けていられる生活の方が余程魅力的に感じます。
話はそれましたが、旋盤工よりも給料が低い仕事はたくさんあると思うので(下を見るのはなんですが・・・)、底辺というほどの給料の低さではないと思います。
反論:だれでもできる単純作業
実はNC旋盤オペレータやマシニングオペレータには、本当に材料の取替えと起動スイッチを押すだけしかやらなくていい仕事があります。通称”ボタン押し”と言われる仕事です。
そんな仕事の場合は確かに単純作業です。数物屋さんにボタン押しは多い傾向にあります。
中には経験10年なのにボタン押ししかやったことのない人もいるようです。
ですがそういった一部の場合を除いて、旋盤工の多くは単純作業ではありません。
図面を読み取り、工具を選定、クランプ方法を考え、加工順序を考える。
経験が必要で、経験があっても考える仕事が多くあります。
仕事の中でも比較的身に着けやすい方だとは思いますが、決してやりはじめてすぐできるようになる仕事ではありません。
まともに仕事になるまで、未経験だと半年は経験が必要だと思います。
そして極めようと思うと、一生分かかってもまだ足りません。
67歳で引退した私の師匠も未だに勉強だと言っていました。
だから熟練旋盤工がいるわけで、とてもやりがいのある仕事です。
自分の仕事に誇りを持つ
例え底辺とネットで書かれていても、自分の仕事に誇りを持てていれば気になりません。
もしあなたが機械加工職人になりたいのであれば、人になんと言われようがそのやりたい気持ちを信じてほしいです。
それほど価値のある仕事だと断言できます。
仕事に対する価値観は人それぞれなので、人によっては技術を持った職人でも底辺に見えるのでしょう。
機械加工職人たるもの、常に誇りが持てる仕事をしていきたいものですね。
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