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鋳物を旋盤加工するときのポイントを解説!パウダー状の切粉を上手く処理しよう!

鋳鉄は通常の炭素鋼とは切削性が大きく違うため、鋳鉄ならではの切削ノウハウが必要になります。

今回は鋳物を旋盤で削るためのポイントを紹介していきます!

なお、本記事では少量多品種製品にて鋳鉄を削る場合を想定しています。

鋳物(鋳鉄)加工では切粉で機械を痛めないことが大切

鋳物の特徴は、削ったときの切粉がパウダー状になることです。

その粉状の切粉の粒子は空気中を煙状に舞うほど小さく、機械のわずかな隙間にも入り込んでしまいます

もしその切粉がNC旋盤の命ともいえる摺動面に入り込んで摺動面を痛めてしまうと機械精度が悪くなりますし、電気系の部分に入り込むと故障の原因になってしまいます。

そのため私の勤務先ではNC旋盤などNC機では基本的に鋳物は加工しないようにしています

汎用旋盤であれば、切粉を掃除できるため機械を傷めにくい

その点汎用旋盤でしたら摺動面がむき出しになっているため、簡単にパウダー状の切粉を掃除することができます。

鋳物は余程の理由がない限りは汎用旋盤で加工することをおすすめします

加工終了後はすぐに丁寧に摺動面から切粉をとりのぞいてやりましょう。

クーラントは使わない

鋳物を加工する際に通常通りクーラントを使ってしまうと、クーラント内に鋳物の粉状の切粉が混ざってしまい、クーラントタンクの底や循環道で固まってしまいます。

クーラントの総入れ替えを行ってもその切粉を除去できるか分かりませんので、クーラントはなるべく使わないようにしましょう

切粉を受けるために新聞紙を敷く

まず鋳物を削る前には旋盤の切粉の掃除を行います。

そして機械の切粉がなくなった状態で、切粉を受ける部分に新聞紙を敷いてから加工を行います

新聞紙で受けてしまえば鋳物のパウダー状の切粉でも掃除が簡単になりますし、機械の隙間やクーラントタンクの中に切粉が入りにくくなります。

加工後は新聞紙ごと切粉を処分してやればOKです。

切削条件・工具

切削条件や工具については、45Cのような通常の炭素鋼と同様で大丈夫です。

送りを上げることはできますが、あまり上げすぎると鋳鉄の性質上材料に欠けが生じやすくなるの気をつけましょう。

鋳鉄は断続切削の場合でもあまり削った感覚に変わりがありません。断続でも通常の炭素鋼ほど条件を落としすぎる必要はないでしょう。

公差を入れる場合、冷やすのを忘れない

鋳物では前述の通りクーラントを使うことができません。

そのため仕上げ前の冷却は時間を置いて冷やすしかありません

通常の金属と同様に、温度変化で公差を外すことがあるため注意しましょう。

温度変化についてはこちらの記事を参照してくださいね↓

公差は比較的入れやすい

公差は比較的素直に目盛り通り入ってくれます

45Cを削る感覚で公差を狙えば入っていくと思います。

表面粗さについて

仕上げた後の表面のきれいさについて、光沢は炭素鋼ほど出ませんが、ガタガタになるということもないです。

手で触った感じでは表面粗さも理論値に近い形ででていると思います。

ですので仕上げについてはそれほどトラブルなく行うことができると思います。

削る量が多くなる場合は切粉の室外への排出を考える

これは私の師匠に聞いた話なのですが、以前大きい鋳物の加工を汎用旋盤で行っており、かなりの量のパウダー状の切粉がでて工場内に真っ黒に舞ってしまう状態になったため、ある対策をとったそうです。

その対策は・・・

  • 旋盤の周囲をカーテンで囲う
  • サーキュレーターにダクトホースをつなぐ
  • サーキュレーターで切粉を吸い込み、ダクトホースで切粉を工場外に排出する
  • 排出された切粉が外の空気中をまわないように、ダクトホースの出口付近に水を張っておく

こうして室外に切粉を排出することで、工場内が汚れるのを最小限に留めて加工をしていたそうです。

鋳物は高速加工が可能!

タンガロイより。鋳物の高速深穴あけ

鋳物は切粉が切れやすいです。

動画はマシニングでの加工ですが、その特性を活かして、ノンステップで高送りの高速深穴加工を行うことができます

切削条件はV300m/minのf0.6mm/rev

これほどの高送りで加工すれば鋳物といえど切粉はパウダー状になりません

内部給油はもちろん必須になりますが、このように切粉をパウダー状にしないように条件を工夫をして加工するのも一つの手ですね。

動画の工具はこちらの記事でご紹介しています

鋳鉄と焼入れについて

焼きが入った鋳物って、あまり馴染みが無いかと思います。

ですが、鋳鉄も45C等と同様に焼き入れることで硬度を上げることができるんです。

グラフは日本鋳造工学会より引用した、ダクタイル鋳鉄のものです。

大体850度ほどでHRC60近くまで硬度が上がるというデータがでています。

ハイスの硬度がHRCで約60ありますので、ハイスと同等のところまで硬くなるということです。

削りにくさも上がると思いますので、もし削る場合はこちらの記事の焼入れ鋼の項を参考に、条件を落として加工してみてください。

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