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今回はSコード、主軸機能について解説します!
「S」コードは主軸を制御する機能
「S」コードによって、主軸の回転数や切削速度を指令することができます!
指令方法:S****
(例:S200)
主軸機能はGコードによって3つの意味を持つ
Sコードで指令した数値は、Gコードによって3つの意味を持ちます!
その3つのGコードと内容がこちら
G97:主軸の回転数(rpm)を指令する(例:G97 S1000)
G96:切削速度(m/min)を指令する(例:G96 S200)
G50:最高回転数(rpm)を指令する (例:G50 S2000)
「G97」指定した回転数で主軸を回せるようにする
G97は回転数指定制御です。
つまり、Sコードで指定した回転数で主軸を回す準備をする指令ができます。
(主軸を回す準備のみです。主軸正転のM3を指令してはじめて実際に主軸が正転します。)
例えば
G97 S1000
と指示すれば、1000rpmで主軸を回せるように準備ができます。
「G96」指定した切削速度で主軸を回せるようにする
G96は切削速度(周速)一定制御です。
切削速度(周速)を直接指示する機能で、削る径の変化にともなって自動的に主軸の回転数を制御してくれます。
こちらに関してもあくまで主軸を回す準備のみです。主軸の正転はM3というコードで指令します。
例えば
G96 S100
と指示すれば、切削速度100m/minで主軸を回す準備ができます。
回転数で言うと、例えば径がφ20であれば1591rpm、φ30であれば1061rpm、φ40であれば795rpmになります。
詳しくは後述しますが、G96を使う際には必ず最高回転数をあわせて設定するようにしましょう。
「G50」最高回転数の設定
主軸の最高回転数を設定します。
Sコードで指定した回転数以上には上がらないようにする機能です。
例えば
G50 S2000
と指示すれば、2000rpm以上は回らない指令ができます。
私が普段使う最高回転数設定は2000
私は普段対話でプログラムを組んでいるため、最高回転数はどんなプログラムにも設定しています。
普段設定している最高回転数は2000rpmです。
もちろんチャックや機械の大きさにもよりますが、2000回転は小径でも十分な切削速度を出すことができ、なおかつ危険も少ないバランスのよい最高回転数です。
とはいえどんなときでも2000rpmに設定するわけではなく、サイクルタイムを短縮したいときや小径ワークの切削速度を上げたい場合などはS2500やS3000まで上げることもありますし、逆に長尺のシャフトや不安定な重量のあるワークではS600など最高回転数を低く設定することもあります。
G96を使う際には必ず最高回転数を設定する
ここで注意点があります。
G96を使う際にはG50を使って必ず最高回転数の設定をしておきましょう。
その理由は、径が小さいものを削る際に回転数が上がりすぎてしまうからです。
例えば切削速度100m/minでφ3の径を削ろうと思うと10610rpmもの回転数になってしまいますし、端面切削でワーク中心まで削る場合は無限の回転数を指令することになってしまいます。
これではNC旋盤の出せる最大出力の回転数で主軸が回ってしまうことになりますので、クランプ状況によっては危険な上、機械にも悪いです。
G97では最高回転数設定は無視される
G50を使って最高回転数を設定しても、G97の回転数指定制御で指令した回転数の方が速い場合、G50で設定した最高回転数は無視されるので覚えておくと良いでしょう。
Sコードも基本になるコードの一つです。
G97、G96、G50のどれもよく使うコードですので、ここでしっかりおさえておきましょう!
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