
MECT2025(メカトロテックジャパン2025)は、国内最大級の工作機械見本市のひとつとして、2025年10月に名古屋で開催されます。製造業・機械加工業に関わる企業や技術者にとって、最新設備や加工技術、デジタルソリューションに触れられる“体感型の展示会”として注目を集めています。
この記事では、過去4回参加してきた現役の町工場オペレーターである筆者の視点から、MECT2025とはどんな展示会なのか?何が見どころなのか?どう準備すべきか?などを、現場経験を交えてわかりやすく解説していきます。
「MECTって読み方は?」「どんな出展企業があるの?」「服装や入場料は?」といった基本情報から、会場マップの活用法やおすすめのブース回り方まで、これからMECT2025に参加を検討しているすべての方に役立つ情報を網羅しました。
中小製造業の目線で本当に役立つ展示会の回り方を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
MECT2025とは?開催概要と注目ポイントを解説
MECTとは?読み方や開催の歴史
MECT(メクトと読みます)とは、「メカトロテックジャパン(Mechatrotech Japan)」の略称で、日本最大級の工作機械見本市のひとつです。
MECTは1987年に第1回が開催されて以来、名古屋を中心に2年に一度のペースで開催されてきました。主催は株式会社ニュースダイジェスト社で、工作機械をはじめとした製造業関連の最新技術・機器・ソリューションが一堂に集まる展示会として、多くの製造現場の注目を集めています。
MECTの最大の特徴は、一つの会場で全国の工作機械や工具の、メジャーなものはほとんどが見られることです。中部エリア(特に愛知県)はトヨタを中心とする製造業の集積地であり、自動車関連をはじめとした中堅・中小企業が多く来場することから、全国的な企業による展示や商談が活発に行われます。規模感は違いますが、日本最大の機械展JIMTOFと同じ雰囲気です。
特に前回2023年のMECTは過去最大の規模で行われ、2025年開催となる今回の「MECT2025」にも大きな期待が集まっています。
来場者数は?
MECT2023の来場者数は、4日合計で77,225人。今回も同水準か、それ以上の来場者数が予想されます。

MECT2025の開催日程・会場・時間
MECT2025は以下のスケジュール・会場で開催されます。
- 開催日程:2025年10月22日(水)~10月25日(土)
- 会場:ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
- 開催時間:10:00~17:00(最終日のみ16:00まで)
ポートメッセなごやは2022年にリニューアルされた新第一展示館を中心に構成され、アクセスも向上。あおなみ線「金城ふ頭駅」から徒歩5分程度で到着できるため、鉄道・車ともに利便性が高くなっています。
駐車場は周辺の有料パーキングを活用することになりますが、会期中は混雑が予想されるため、できれば公共交通機関の利用がおすすめです。とはいえ、私も結構な頻度でポートメッセ隣のレゴランドにいくため金城ふ頭駐車場を活用しますが、かなりの台数が停められますので大丈夫かとは思います。駐車料金は1500円です。
開場時間の10:00に合わせて到着すると入場がスムーズです。特に金曜日は混雑しやすいため、十分見て回るためには早めの来場を心がけましょう。
今年の見どころと過去との違い【参加4回目の視点】
私はこれまでにMECTに3回参加してきましたが、MECT2025は過去の開催と比較してもさらに注目すべきポイントが増えています。今年の展示会は、単に「新しい工作機械・工具が見られる場」というだけではなく、DX・スマートファクトリー・自動化ソリューションが本格的に実装されている場になっているからです。
2023年時点でも、IoT・AI・自動搬送・加工の自動化が話題になっていましたが、2025年はそれらが実用レベルにまで落とし込まれ、具体的な導入事例や小規模工場でも使える技術が多数展示される見込みです。
たとえば、
- 省人化・省力化を支援するロボットアームやパレタイザー
- 中小企業でも導入可能なスマート設備連携システム
- 加工データと工程の「見える化」を実現するモニタリングツール
などが各ブースで実演されると予想され、私のような中小企業の現場目線で「これは現実的に導入できるな」と思える技術が目白押しになるはずです。
もちろん、クランプ治具や、便利なハンドツールなど、展示会ならではの発見も大いにあることでしょう。
前回参加の際には、製品のキズや打痕を肉盛りできる簡易的なレーザー溶接装置などは非常に面白かったです。
また、出展企業の顔ぶれや展示内容も刷新されており、新規参入企業やベンチャー企業の出展も目立ち始めています。「大手だけでなく、ニッチな課題に向き合った製品やツールが増えている」という印象もあり、これまで以上に現場にフィットした発見がある展示会になるでしょう。
出展企業・展示内容から見るMECT2025の魅力
注目の出展企業と新技術の展示内容



MECT2025(メクト2025)には、工作機械メーカー、工具メーカーを中心に、制御装置・周辺機器・ソフトウェアなど製造業に関連する524社もの出展企業が集結予定です。以下のような業界を代表する企業群が軒を連ねています。
- DMG森精機、オークマ、ヤマザキマザックなどの工作機械大手
- 三菱電機、ファナックなどの制御系メーカー
- THK、ミスミ、CKD、SMCなどの自動化部品・モジュールベンダー
- HORN、タンガロイ、イスカルなどの切削工具メーカー
- CAD/CAM・工程管理・IoTシステムの最新ソリューション企業 など
特に今回は、「加工工程の自動化・可視化」に関する技術展示が例年以上に強化される見込みです。
実演・デモンストレーションのあるブースも多く、単なるカタログ展示にとどまらず「見て体験できる」場としての充実ぶりが、他の展示会と一線を画しています。
また、省スペース型の5軸加工機や、AI搭載の異常検知システム、ロボット搬送と工作機械の自動連携といった中小企業の導入ハードルを下げた実用的な技術も多く展示されており、現場での応用イメージがつかみやすいのも魅力の一つです。



会場内マップとブースの回り方のコツ
MECT2025の会場マップは公式サイトから事前にPDFでダウンロードできます(→ 会場マップはこちら)。
展示は大きく以下のエリアに分かれています:
- 工作機械ゾーン(第一展示館)
- 工具ゾーン(第二展示館)
- ソフトウェア・測定機、クランプ治具、油、その他ゾーン(第三展示館)

初めての参加者や時間に余裕がない方には、以下のブース回り方をおすすめします:
- 目的の分野を絞っておく(例:工程管理、切削工具など)
- 事前に出展企業を検索してピックアップ(公式検索ページを活用)
- 会場マップ上でブース番号をマーキングしておく
- 「午前に工具と周辺機器、午後に工作機械」というルートでメリハリをつける
MECTはとにかく規模が大きく、1日ではすべてを見きれないのが現実です。
特に現場仕事を持つ私のような立場からすると、「目的のある視察」を前提に事前計画を立てておくのが、情報収集・導入検討の精度を高めるコツだと感じています。
そして、展示会のたびに私がお伝えしていることなのですが、最初に工作機械の第一展示館をまわるのは悪手です!多くの来場者はまず工作機械を見たがります。そのため午前中は第一展示館が一番混雑します。
第一展時間は後半に回し、午前中は工具や周辺器具(第二、第三展示館)を見て回るのがおすすめです。
MECT2025の参加準備ガイド|服装・入場料・招待券・登録方法など
服装とおすすめスタイル【現場目線で解説】
MECT2025に参加する際、「どんな服装で行けばいいのか?」と悩む方もいるかもしれません。結論から言うと、ビジネスカジュアルまたは作業着(会社制服)で問題ありません。普通カジュアルな私服でも全然大丈夫です。
平日開催日はスーツや会社制服の方が多く、土曜日は私服の方が多いです。
展示会の性質上、来場者の大半は製造業関係者であり、現場作業の合間に来る方もいます。実際、私自身もこれまで3回参加していますが、ツナギや企業の制服、作業服で来場している方は多いです。
ただし、以下の点は押さえておくと安心です:
- 企業との商談予定がある場合:襟付きのシャツにジャケット、もしくはオフィスカジュアル推奨
- 動きやすさ重視の現場スタイル:ツナギでもOK。ただし清潔感のある服装で
- 足元は歩きやすさ優先:革靴よりスニーカーや安全靴のほうが快適です
会場は広く、1日で1万歩以上歩きます。そのため、商談の予定がないのであれば快適性と機動性を意識した服装がベストです。
入場料・招待券の入手方法と注意点
MECT2025への入場は、事前登録を行えば無料です。
ただし、登録がない場合は入場料1,000円(税込)が必要となります(2025年開催情報より)。
以下の3つの方法で無料入場が可能です:
- 公式サイトでの事前登録(推奨)
- 出展企業等からの招待券を持参
出展企業からの招待券をお持ちの方もいると思いますが、招待券の有無にかかわらず、どんな方でも公式サイトでの事前登録はしておいたほうが良いです。招待券があれば事前登録がなくても入場料1000円は無料になりますが、手続きに時間がかかる可能性があります。
つまり、事前登録をすれば招待券を手に入れるメリットはほぼありません。
また、企業名・所属・役職の記入が必要になるため、招待券を使用する場合でも、当日は名刺を持参することを忘れないようにしましょう。2枚の名刺を渡し、入場証と引き換える形になります。

事前登録の方法と当日入場の流れ
MECT2025へのスムーズな入場には、公式サイトでの事前登録が最も効率的です。
【事前登録の流れ】
- 事前登録ページ にアクセス
- 所属企業名・氏名・役職・メールアドレスなどを入力
- QRコード付きの「来場証」をA4カラー印刷
- 当日、受付にてQRコードを提示して入場
登録にかかる時間はわずか3分程度で、スマホ一つで完結できます。カラー印刷で準備しておくだけですので、合間の時間で登録しておくのがおすすめです。
当日は十分に展示を見るためにも午前中早めの入場が理想。特に金曜日は来場者が集中し、受付も列になることがあるため、事前登録は必須です。
まとめ|MECT2025を有意義に活用するために
MECT2025(メカトロテックジャパン2025)は、製造業・加工業に携わる企業や技術者にとって、年に一度の情報収集と技術交流の大チャンスです。最新の切削工具から加工機械、CAD/CAM、ロボット、自動化技術まで、業界の動向を現場の目線で確認できる貴重な場です。
私自身、これまで3回の参加を通じて感じているのは、「準備で展示会の価値は何倍にもなる」ということ。
以下のポイントを意識すれば、MECT2025を最大限に活用できるはずです:
- 興味のある出展企業・製品は事前にリストアップしておく
- 公式サイトで事前登録を済ませ、入場をスムーズに
- 会場マップを確認し、効率的な順番を想定する(第一展示館は最後がおすすめ)
- 服装は気にしすぎる必要ナシ
- 現場での課題や改善ニーズを持って臨む
単なる見学で終わらせず、「何を見たいか」「どんな情報を持ち帰るか」を明確にしておくことで、1日が何倍にも濃いものになります。
そして何より、中小企業の現場だからこそ取り入れられるヒントが、MECTにはたくさん転がっています。
2025年10月、名古屋で開催されるこの大規模展示会を、ぜひ貴社・あなた自身の変革のきっかけにしてください!
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