当サイト管理人のTAKです。
私は大手企業から総勢7人の町工場に転職し、今も町工場で働いています。
その経験を役に立ててもらえればと思い、本記事に書き留めておきます。
私は国立大に進学、新卒でインフラ系大手企業に就職しました。一般的に「成功」と言われるレールの上に乗ることができ、ホッとしたのもつかの間、社会の厳しさを思い知ります。
「会社に行きたくない」
入社2ヶ月も経つころには会社に行くのが辛くて仕方ない状態になっていました。
私が、配属されたのは企画課。企画とは名ばかりで、仕事内容は比較的責任の大きい事務。内部調整、対人折衝業務が主です。
世間知らずな上人付き合いが苦手、理系スキルに全振りしたようなステータスの私は絶望的にこの仕事に向いておらず、かなりストレスを溜め込む毎日が続きました。
甘えと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、「できるようになりたい」「この会社でのし上がりたい」という気持ちが一切わかなかったんです。
そして、1年を過ぎる頃に転職することを決意します。その頃には元々軽かった体重がさらに減り、体調にも異常をきたしていました。
次の目処を立てずに退職するのが不安だったので、公務員試験の勉強をし、国家総合職試験に合格してから退職しました。
狭き門をくぐって入社した上、一般的にホワイト企業と呼ばれる会社の退職です。かなり勇気がいる決断でした。
当時は独身でしたが、家族がいれば決断できていなかったかもしれません。ですが、今だから言えますが、私のような決断に迷っている方こそ勇気を出して「退職」の決断をとるべきだと強く思っています。
職業訓練を経て就職活動
公務員試験に合格したは良いものの、私が勤めていたのは公務員に近いインフラ系企業。公務員になってもまた同じ状況におちいる可能性も高いと考え、3年間猶予のある公務員資格を保険に、別の仕事をしてみようと考えました。
そして腰を据えて就職活動をするために職業訓練校に入校します。選んだ学科は、なんとなく面白そうだった機械加工技術科。
加工の仕事に就くつもりで選んだわけではありませんでしたが、この選択をきっかけに、当時から現在までずっと機械加工の世界にいることになります。
機械加工の面白さを知り、その分野での就職を決める!
職業訓練で旋盤・フライス加工の面白さの一端に触れ、自分でもできるという感触を得たことをきっかけに、機械加工の分野で就職活動をはじめました。
私はとにかくこれまでの現状を変えたい思いが強く、再就職活動では今までとは対極に位置する職場に入ってみようと考えました。
・大手→零細
・発注する側→仕事を請ける側
・オフィスワーク→現場仕事
・インフラ系→機械加工系
・対人調整業務→なるべく人と話さない仕事
これだけ対極を行けば人生を変えられるだろうという安易な考え方です(^^;
そうして行き着いた求人が総勢7人の町工場のもの。旋盤・フライス加工技術者の求人です。社長一族を除いた従業員は全くおらず、私と同時期に同僚が一人入社したのみです。
3社ほど金属加工の会社を受けましたが、待遇度外視で一番雰囲気が良い会社にお世話になることにしました。
前職は何十社も入社選考に応募し、4段階の審査を通過してようやく内定を得られましたが、町工場はそれほど苦労なく、面接一発で内定をいただくことができました。
町工場は良い意味で会社らしくない。
そして入社した家族経営の町工場。
本当に前職とは対極の環境でした。まず驚いたのは、「自分のデスク・自分のパソコン」がないこと!
パソコンがなくてどうやって仕事をするのかと思いましたが、その代わりに「自分の機械」が与えられています。
仕事内容は、一日中機械を操作し図面どおりの金属部品を作っていくこと。
こう書くと単純作業のように感じるかと思いますが、私の勤務先の加工品は一品一様の単品〜小ロット生産品で、常に飽きずに作業することができます。
中には難しい加工品もあり、苦労して試行錯誤しながら形にするような仕事もあります。
ですが、その苦労は前職で感じていた苦労とは全く別物です。対人業務や内部折衝でのストレスとは全く違い、自分の考えた方法でモノを形にすることは、大変ですがその分やりがいを感じて楽しいものでした。
夢中で作業しているため時間が経つのが速く、月曜日が始まったと思ったらあっという間に1週間経ち、金曜日になってしまいます。
町工場は「出社する」というより「家に帰る」感覚
中小企業の町工場の特徴として、職場環境や人間関係の変化が起きにくいという点があります。
大企業では頻繁に人事異動や転勤があり、上司ガチャも相まって、環境が良いときもあればものすごく悪いときもある、精神的に不安定な状態で働くことを強いられます。
一方町工場は一度良い人間関係を構築できてしまえばそれが変化することはあまりありません。
私も幸い上司である経営者や同僚に恵まれ、人間関係的にも良い環境で働くことができたため、入社当初から精神的に安定した状態で働き続けることができています。
仲の良い少人数で働くため、会社に行くというより「家に帰る」という感覚のほうが近いです。
また手に職がつくため、万が一勤務先の会社が潰れたり環境が悪化しても、同業他社に容易に移って活躍することができます。いわゆる「つぶしがきく」仕事ということです。
少々大袈裟に言うと、町工場は「会社に行きたくない人」にとってのユートピアと感じています。
少し極端な考え方での転職でしたが、結果的に人生を大きく良い方向に変えることができ、本当に行動してよかったと思っています。
オフィスで消耗している方にこそ加工の仕事を勧めたい!!
こういった経験があるので、かつての私と同じように「会社に行きたくない」と悩んでいる方には、加工の仕事に転職する生き方を一つの選択肢としておすすめしたいです!
自分のデスクと自分のパソコンがないなんて、当時の私のようにオフィスで消耗している方には信じられないことかと思います。
パソコンがなくても仕事ができるんです。一日ずーっと手を動かして加工をしています。
会話も少ないですし、対人折衝も必要ありません。
金属は正直で、自分の行動がそのまま結果にかえってきます。人間同士のことのように理不尽なことはなく、失敗があってもその結果に納得感を感じられ、素直に改善することができます。
なにより本当に面白い仕事です。ものづくりなので、特に男性の方は本能的に面白いと思うはずです。
SNSでも人づたいでも聞く話ですが、加工の仕事しかしたことがない人が待遇を求めて別の仕事に就いたところ、加工の仕事の良さに気づき元の会社に戻ったという人の話を複数聞きました。
それだけ待遇にも勝る魅力のある仕事ということだと思います。
私の待遇は前職に及ばないながらも年収500万円ほどで、生活していくには十分ですし、妻と子供二人の家族を養うこともできています。
やってみたい方は、直接加工の仕事に就いてしまえば良いと思う
私はこの良い仕事にたどり着くまでに、公務員試験、職業訓練と回り道をしました。ですが、この記事を読んでやってみたいと思った方は、初めから加工の世界に飛び込んでみてもいいと思います。
職歴は3ヶ月以内に退職した場合は記載する必要がありません。つまり、転職してから3ヶ月間、その仕事を見極める猶予があるということです。
加工の仕事は職人仕事ですので座学の必要性はそれほどありませんし、上手くなるには実際に現場で手を動かすのが一番です。
40歳くらいまででしたら未経験でも受け入れてくれる会社は多いですので、まずは求人に応募し、入社してみるのが一番の近道と思います。(未経験でもOKとはいえ、設計、組付け、整備など他の機械系職種や工具を使う職種、技術系の仕事の経験は活きると思います!)
私のような、会社で消耗している人にとっては救いになる選択肢だと思います。
私自身、仕事ではやりがいを感じながら働き、帰っても翌日の仕事に悩まされることなく趣味のアニメ・ゲーム・漫画や家族との時間を楽しめる毎日で、とても充実しています。
そして気持ち的にも余裕があるため、こうして副業として当サイト「キカイネット」を運営することもできています。
私は一生この仕事を続け、技術を高めていきたいと考えています。
求人を探すときは派遣の求人に注意!!
求人を探すにあたっては注意点があります。それは、「派遣の仕事は選ばない」ということ。
加工の仕事であれば会社の規模を問わずおすすめしたいですが、仮に正社員でも派遣会社だけはおすすめできません。
正社員とはいっても派遣社員の延長で、派遣先からの依頼が終わると別の仕事に回されて、数年で加工の仕事ができなくなることも十分ありえます。
いずれ派遣切りにもあう可能性が高く、職場も数年で変わることが多いため精神的にも安定しません。
仕事を選ぶ際、派遣会社かどうかをいちいち調べて除外するのも良いですが、派遣会社がほとんど掲載されていない転職サイトを使って転職活動をするのが最もおすすめです。
おすすめの転職サイトはメイテックネクスト
例えば「メイテックネクスト」はほとんど派遣の求人がなく、派遣会社を勧められることもないためおすすめです。プライム(旧東証一部)上場メイテックグループの、製造業界でトップの転職サイトですので求人数も多く、安心感もあります。
私も使ったことがありますが、電話面談で希望を伝えるだけで、希望の地域の求人を、非公開含めて数多く見せてもらえます。
申込みの際の入力項目が少々多く、申し込みに5分程度かかってしまうのがデメリットですが、担当者の業界知識も豊富でとても使える転職サイトです。
「会社に行きたくない」現状は絶対に変えたほうが良い
本記事では私が町工場に転職した経験を書きました。
もしあなたが「会社に行きたくない」と思っているなら、私と同じ方法でなくても構いません。絶対に現状を変えたほうが良いと断言できます。
なぜなら、今動かないと今後一生「会社に行きたくない」と思いながら長い職業人生を過ごさないといけないからです。
転職にはリスクを伴いますが、転職活動はノーリスクです。
こちらにおすすめの転職サイトをまとめましたので、ぜひご活用ください!
理想の生活に行き着くのは意外と難しくありません。終わってみれば「なぜもっとはやく動かなかったんだろう」と思うものです。
私の経験が役に立てば嬉しいです!!m(_ _)m
まとめ
私は「会社に行きたくない」と悩んでいた前職を悩んだ末に退職、現状を変えたい思いから、総勢7人、社員数2人の町工場に入社したところ、人生が大きく好転しました。
この経験から「会社に行きたくない」方には、現状を変えるために行動することをおすすめしています。
特に加工の仕事は、私のように合う人には本当に合うと思います。