最新の加工技術が集結するJIMTOF2024!私も2日間参加してきました。
その中でもHORN社のブースは、多彩な新製品と高剛性・多機能な工具、そして何よりも大変スタイリッシュなデザイン性で注目を集めていました!
展示されていた様々な工具の中で、本記事では加工現場の効率を大幅に向上させる「ブレーカー搭載のスーパーミニ」や、多様な形状に対応する「CBN工具」、そして端面深溝用インサートやフライス工具の新たなラインアップをご紹介しています。
これらの工具の中には私がすぐにでも欲しいものもありました・・・。ぜひ最後までお読みください!
ブレーカー搭載のスーパーミニ。切りくず分断性能が段違い!
JIMTOF2024のHORN社ブースで紹介された「ブレーカー搭載のスーパーミニ」が目新しかったです。ステッキ型工具でブレーカーつきのものはありそうでなかったため、加工現場でも役立ちそうです!
切りくずの問題を解決!驚きの効果
搭載されているチップブレーカーは、下画像のスーパーミニの模型をご覧いただければわかりやすいです。
実際に展示されていた切りくずを見てみると(下画像)、SUS304を低切込み(ap=0.3mm)・低送り(f=0.07mm/rev)の条件で加工しても、切りくずがしっかり分断されていました。
私もSUS304は毎日のように加工しますのでわかるのですが、こうした条件では切りくずがつながりやすく、加工が不安定になりがちです。特にステッキ状の工具を使う加工はφ10未満の穴に加工することになるため、切りくずが詰まりやすいです。
それだけに、これだけ切りくずを分断してくれるのであれば、数ものでも機械を止めて切りくずを除去する必要がなくなり、目を離しながら加工を行いやすくなります。
クーラントホールの工夫もポイント
さらに、このスーパーミニのもう一つの注目ポイントが、クーラントホールの設計です。スティック状の工具にクーラントホールが付いているだけでも珍しいのに、本体には刃先まで確実にクーラントを届けるスリットが追加されています。
この設計のおかげで、刃先に十分なクーラントが届きやすくなり冷却効果が向上。特に鋭利な形状のバイトにおいて、刃先寿命を延ばす効果が大きいです。
量産加工にぴったりな一品
切りくずが絡まない安心感と、クーラントの効果で刃先寿命が延びるというメリットを持つこの工具。特に加工の安定性が求められる多数個生産の場面で活躍しそうです。画像の通り、その種類も多種多様です。
また、下画像のように他社工具からの置き換えで工具寿命が20倍に向上、工具費92%カットに成功した実績もあるそうです!
新製品「ブレーカー搭載のスーパーミニ」は、これまでありそうでなかった機能を持つ頼れる一品。加工の効率を上げたい方、ぜひチェックしてみてください!
国内では見られない形状も!HORNのCBN工具
難削材の加工で特に厄介なのが、焼入れ鋼のような硬い材質ですよね。私自身もそうした材質を加工する際にはCBN(立方晶窒化ホウ素)工具を活用していますが、手元にあるのは通常の外形バイト、内径バイト1種類ずつのみです。
そんな中、HORN社のCBN工具は一歩先を行っています。展示されていた画像からも分かるように、HORNでは様々な形状のCBN工具がラインナップされており、特に溝入れ工具の充実ぶりには驚かされました。
様々な高硬度溝入れ加工に対応!
国内メーカーではなかなか見かけない内径の溝入れ用CBN工具も、HORNなら取り揃えています。
画像の通り、通常のISOツールはもちろんのこと、小径の内径深溝やならい加工用工具といった、特殊な加工用の工具も揃っています。
CH1Gシリーズで、コストと切削性の両立!
他にも、CH1GシリーズではCBNが表面にコーティングされており、効率性とコストパフォーマンスの両立を実現しています。
高硬度の加工を行え、なおかつコスト面でも納得のいく選択肢となりそうです。
難削材の加工で悩んだ際には、一度HORN社のカタログを手に取ってみることをおすすめします。そのラインナップの多様さは、加工現場のニーズに的確に応える内容となっており、新たな加工方法の可能性を広げてくれそうです。
溝入れフライス工具の選択肢が拡充!
以前の記事でチップ交換式のサイドカッターについて書きましたが、HORN社はさらにそのラインアップを拡充しています。今回注目したいのが、多彩なTスロットカッター(サーキュラーミル)のバリエーションです。
薄い・小さい!多彩なラインアップ
HORNのサーキュラーミルは、その薄さや小径への対応力が特徴です。画像からも分かる通り、これまで加工が難しいとされてきた薄溝や小径の作業に最適な設計がされています。
特に薄い部品や小さな部品に対応するための工具が揃っており、加工現場での悩みを解決するための選択肢が増えたと言えるでしょう。
溝加工だけでなく面取りやねじ切り加工も!
HORNのフライスカッターは、単に溝加工だけでなく、ねじ切り加工や面取り加工にも対応する刃先形状もラインアップされています。
特に「RC25」「RC45」の新しいコーティング材種を採用したことで、幅広い加工用途への対応が可能になり、溝加工、ねじ切り、面取りのいずれでも高いパフォーマンスを発揮します。
ミニシリーズに端面深溝用インサート拡充!
加工業界で高い評価を受けているHORNの「ミニシリーズ」に、端面深溝用インサートが新たに拡充されました。
この製品は、私のような単品もの技術者にとっても待望の一品といえます!特に10mmの深さまで対応できる点が大きな魅力で、これまで以上に汎用性が高まりました。
様々な新製品が登場していますが、これが一番ほしいですね。
汎用性と加工のしやすさがポイント
今回の新インサートは、既存のミニホルダーに対応し、チップ交換式で利用可能。
これにより、ホルダを新たに準備することなく、手軽に深溝加工が行えます。
特に比較的小径で深さが必要な加工では、その利便性が際立ちます。
また、大径の溝入れでも、チップ単体で扱えるためグラインダーでの加工ハードルも低く、現場での調整も簡単に行えそうです。
その他注目ツール:PCDエンドミルと刃先交換式エンドミル
PCDエンドミル:CFRP加工に最適!
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の加工で悩んだことがある方にご紹介したいのが、こちらのPCDエンドミルです!このツールは切削中に発生するバリを寝かせることで、滑らかな加工面を実現します。繊維のほつれや層間剥離が問題となるCFRP加工において、高品質な仕上げを行うことが可能です!
刃先交換式エンドミル:高い振れの繰り返し精度で刃具交換の省力化を実現!
また、HORNの新ラインナップには、刃先交換式エンドミルも登場しました。
私としてはHORN製品としてあまり目立ったイメージがなかった分野ですが、その性能は折り紙付きです。交換時の振れ精度が約10μmと非常に高く、他社製品の20μmと比較しても高い性能になっているそうです。
この高い振れ精度により、刃具交換においての手間を大幅に削減し、作業も効率的になりそうです!
まとめ:JIMTOF2024 HORN社注目のポイント!
HORN社がJIMTOF2024で披露した最新工具は、加工現場の効率を大幅に向上させるラインナップが揃っていました。
注目のポイント
- ブレーカー搭載のスーパーミニ
切りくず分断性能が向上し、量産加工や小径加工で作業の安定性を実現。クーラントホールの工夫で刃先寿命も長い工具に仕上がっています。 - 多様なCBN工具
焼入れ鋼などの難削材加工に対応。豊富な形状バリエーションとコストパフォーマンスの高いCH1Gシリーズが特に魅力的です。 - ミニシリーズの深溝用インサート
10mmの深さに対応可能で、汎用性と加工のしやすさを向上。現場での微調整も簡単に行えます。 - フライス工具の拡充
PCDエンドミルでCFRPのバリを抑えた高品質加工を実現。刃先交換式エンドミルでは、高い交換精度で効率的な作業が可能です。
個人的には、特に深溝用インサートはぜひ試してみたいと思わされる製品でした。ブレーカー搭載スーパーミニも便利そうです!
他にもHORN社には様々な工具が揃っていますので、ぜひこちらのカタログから工具情報をチェックしてみてください。
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